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ミステリの祭典

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バトラー弁護に立つ

作家 ジョン・ディクスン・カー
出版日1957年01月
平均点5.25点
書評数4人

No.4 5点 レッドキング
(2021/08/28 15:32登録)
ちょいと席を外した瞬間に刺殺されていた謎のペルシア人。二人の視線の壁をくぐり抜けた「密室」殺人・・てっきり「孔雀の羽根」やポール・アルテ「カーテンの陰の死」トリックだと思ってたら・・・あらら。
フェル、メリヴェールにできないからって、バトラー出すと、まあ、ジェイムズ・ボンドかドラゴンかとばかりに動くこと動くこと、カーが最も精彩放つのって、実はアクションシーンではあるまいか。

No.3 5点 ボナンザ
(2018/08/27 20:53登録)
カーお得意のドタバタ展開にラブロマンス、密室を詰め込んだ一作。キャラクターの性格は好みが分かれるかも。

No.2 6点 斎藤警部
(2015/08/31 19:18登録)
今風に略すと「バトベン」でしょうか。
若かりし頃、題名と作者の奇妙な組み合わせ(?)に惹かれて手にした一冊です。
爆発的に面白いわけでなく、まったりと雰囲気に浸れると言うわけでもないけれど、何気に爽やかなムードでサクサクと進む物語は最後まで興味を離しません。やはりパトリック・バトラーさんのキャラクターが良いのか。でも不思議なことに彼こそが主役ってわけじゃあないんですよね。 そういやずっと忘れてたけどこの作品って密室モノなんですね、なんかあんまり密室って感じしません。舞台設定がジョン・ディクスンにしちゃあ全くおどろおどろしく無いせいかしら。

ネタバレ風を言うと 。。。。。 例のヒネりある空耳、「読み間違いによる聞き間違い」はやっぱ短篇でキメて欲しかったかな。 見せ方によってはもっと知的に映えるトリックの筈なのに、、惜しい!

No.1 5点 nukkam
(2014/10/14 10:10登録)
(ネタバレなしです) フェル博士シリーズの「疑惑の影」(1949年)で主役級の活躍をした弁護士バトラーを再登場させた1956年発表の本格派推理小説です。本書ではフェル博士は登場せず、バトラーはフェル博士の後ろ盾なしで謎を解きたいとこだわっています。ところがこのバトラーが主役かというとそうではなく、準主役に留まっており(主役はやはり弁護士のヒュー・ブランティス)、しかも法廷場面がないのですからどうしてこのタイトルになったのか不思議です。ハヤカワポケットブック版は手袋を「手套」と表記するほど古い翻訳ですが、それでも巻き込まれ型冒険スリラーとしては文句なく面白かったです(ヒューが結構火に油を注いでいます!)。日本人読者には辛い言語絡みの手掛かりなど謎解きとして粗い面もありますが、どたばた劇の中に忍ばせた伏線はカーならではの巧妙さが光ります。なお作中に「疑惑の影」のネタバレがありますので未読の読者は注意下さい。

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