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ミステリの祭典

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沈底魚

作家 曽根圭介
出版日2007年08月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 5点 E-BANKER
(2011/11/11 16:49登録)
第53回江戸川乱歩賞受賞作。
「スパイ小説」と呼ぶべきか、「警察(公安)小説」と呼ぶべきか迷う作品。

~現職の国会議員に中国のスパイがいるという情報によって、極秘に警視庁外事課に捜査本部が設置された。指揮官として警察庁から女性キャリア理事官が派遣されるが、百戦錬磨の捜査員たちは独自に捜査を進める。その線上に浮かんだのは、次期総裁の呼び声高い1人の男だった・・・~

ミステリーとしてのジャンルはともかく、いかにも「乱歩賞受賞作」という感じがした。
主人公は、無頼派の公安刑事。とある事件が発生するが、途中まで事件の構図探しが続き、1つの流れが見えてくる。
解決と思いきや、ラストにドンデン返しが待ち受けて・・・
まぁ、簡単にまとめると、こんな展開のプロット。
いかにも、っていう感じは拭えない。
確かにデビュー作としては達者だと思います。人物造形はちょっと深みに欠けるかなとは思いますが・・・
公安刑事同士の「化かしあい」という展開も、既視感はあるけれど、まずは及第点でしょう。

けど、スパイっていったい「何重」まであるんでしょう?(二重スパイとか、三重スパイとか出てくるので・・・)
まっ、この手のジャンルが好きな方であれば、「味見」をしてみる価値くらいはあるかなと思います。

No.2 6点 itokin
(2010/12/20 10:05登録)
スパイ物は、裏切り、2重スパイ、暗号名とややこしくて疲れる。おまけに中国が絡んでいるとなおさらだ。よく調査をして書かれているが主人公は、不破でなく五味にしたほうがより重厚に書けたのではないか。
文体、キャラクターもしっかりしてスピードもあるのでこの人の今後が楽しみ。

No.1 7点 akkta2007
(2007/10/11 20:01登録)
第53回の江戸川乱歩賞を受賞した作品であった。
初めて読んだ曽根氏の作品であるが、最後まで飽きることなく一気に読むことが出来た。
作品内における刑事たちの表現も確かなもので良かった。
ひとつ感じたのは、中国等ではなく、国内の話であればよりわかりやすく、良かったのではないかと?思った。(相手が中国でなければ話の展開ができないかも知れないが・・・・)
しかし、現在の社会情勢を十分ふまえた十分に内容のある、読みごたえのある作品であった。

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