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ミステリの祭典

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コールドゲーム

作家 荻原浩
出版日2002年09月
平均点5.71点
書評数7人

No.7 6点
(2019/08/27 10:12登録)
○○○系社会派青春ミステリー。
(○○○は、裏表紙にも書いてないことなので、出版社や著者の意図をくみとって伏せ字にした。もしかしたらジャンルとして表示されるかもしれませんがw)
初めからそうと知っていたら読み方が変わっていたかも。

青春モノらしいユーモアを交えながら、いじめを取り上げ、ほどほどに社会性を出したところはグッド。
真相を含め、終盤は十分に楽しめた。ラストの1行はどっちでもいいとも思えるが、これもまた良し。

ただ、中盤かそれ以降に、起承転結の転にあたる、うねりが欲しかった。中途で真相が透けて見えるという読者も多くいるようなので、ラストだけにたよらないほうがよかったのでは。
それと、青春ミステリー要素を際立たせるために、主人公の光也や亮太に、目に見えるような大きな変化と成長が欲しかった。光也は、語り手+α程度ではもったいないし、亮太にはもっと活躍してもらいたかった。でも、いじめが背景にあるから仕方ないのかなぁ。

<ということで採点は>
真相、どんでん返し、サプライズ、サスペンスなど、ミステリー要素全体としては、6.5点。
青春のほろ苦さを超えてしまっているし、登場人物の成長が少なめだから、キャラクタ性を含め、青春モノとしては、5.0点。
上記のように「転」が弱いので、全体の物語性としては、5.5点。
文章的には、7.2点。
以上

No.6 4点 スパイラルライフ
(2012/02/19 23:53登録)
いじめ、復讐がテーマなので、乙一氏の死にぞこないの青を思い出した。
次々にいじめに関わった生徒が悲惨な目にあっていくが、噂が先行する元いじめられっ子の姿をが捉えきれない主人公。後悔と恐怖に悩みながらも捜査を続ける展開がスリリングに描かれています。

オチが想定しやすく、本作品はホラーだと感じるため、低めの採点。

ただ、ホラーとしては良作だし、青春を思い出しさせてくれます。

No.5 7点 蟷螂の斧
(2011/08/19 09:49登録)
ラストページの「どんでん返し」で結末を迎えるが、ラスト”行”をどう解釈するかで面白みは倍増。

No.4 4点 月火水木金
(2009/05/04 09:35登録)
犯人がヘンテコで魅力がない。ミステリーというよりは青春小説でした。
いじめについて深く考えさせられますが、特にこれといった衝撃的なシーンもないので、退屈で仕方なかったです。

No.3 6点 こをな
(2007/11/22 13:36登録)
 犯人があまりにも当たり前すぎる。ミスリードさせようっていう意気込みは感じるものの、弱い。推理を楽しむっていうより、いじめの事とか考えさせられてそこが良かったと思う。

No.2 4点 SD
(2004/06/15 22:58登録)
「コールドゲーム」
最後のほうはスピード感があって一気に読みきってしまったが、救いの無い結末と犯人がいまいち。

No.1 9点 フリップ村上
(2003/08/24 22:52登録)
「コールドゲーム」
私も「噂」を読んだ時には、編集者の陰謀でむりむりミステリ書かされているな、と思ったクチでしたが、こいつは第1級の作品ざんすよ。
かつてのいじめっこが、ひそかにホームタウンへと帰還。ビルドアップした体躯とIT知識を駆使して、凄惨な復讐を開始する。元野球部の主人公光也は、仲間たちを集めて自警団を結成するが、という復讐モチーフの物語。
つるべうちのサスペンス、細かな伏線使い等々、読物としての完成度は熟練のレベルで全く評判にならなかったのが信じられないほど。重苦しいテーマの持つ問題意識と娯楽小説としての面白さを、どちらも損なうことなく両立させた隠れた大傑作である。

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