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ミステリの祭典

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風少女

作家 樋口有介
出版日1990年01月
平均点5.00点
書評数4人

No.4 5点 ボナンザ
(2023/08/31 17:02登録)
柚木シリーズよりは素直に読める。真相はかなりシンプル。

No.3 5点
(2015/02/25 10:18登録)
主人公の大学生・斎木亮が中学生のとき好意を寄せていた同級生の川村麗子の変死の謎を追う、青春ミステリー。

主人公は中学時代に不良だったが、いまは秀才の同級生たちにくらべて、受験で苦労したからなのか老成した感がある。そうでありながら、麗子の妹・千里に対して適度な軽口や冗談も言う。
と、同級生たちの中から突出させ、魅力ある人物に仕立てる作者の人物造詣テクニックは抜群。
そして、この小説の楽しめる要素は会話文にある。特に、延々と続く、地の分なしの2ページにもおよぶ会話には魅かれる。これは「ぼくと、ぼくらの夏」と同様の流れだ。というか、この作者の特徴でしょう。

しかし、ミステリー味はかなり薄め。青春度的にも総合的にも、デビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」にくらべて、数段落ちます。
しかも湿っぽさもあれば、どろどろ感もある。書かれた時代ということもあるのでしょう。

この作家さん、このサイトを訪れるようになってから読むようになりましたが、若いころ読まなかったのがとても残念な気がします。でも、いまの歳に、いまの時代に読むからこそ、郷愁を感じられるのかもしれません。

No.2 5点 蟷螂の斧
(2012/11/06 20:56登録)
主人公は、中学時代に好意を寄せていた麗子の死を知る。風呂場での事故死とされていたが、不信を抱き、麗子の妹と調査を始める。ミステリー度はそれほどありませんが、麗子の友人関係(主人公の同級生)を調べていくうちに、それぞれの若者の生き方が浮き彫りになっていくといった青春物語です。

No.1 5点 makomako
(2012/04/21 18:45登録)
 樋口氏のデビュー2作目の作品。最近発表された加筆修正版を読みました。
 作者は文章がうまく魅力的な会話が楽しめるのであるが、この作品はそういったところがやや乏しい。それほど長い話ではないが比較的登場人物が多く、人物の描きわけがもう一つうまくいっていないのが残念です。

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