サイモン・アークの事件簿〈Ⅲ〉 サイモン・アークシリーズ |
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作家 | エドワード・D・ホック |
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出版日 | 2011年12月 |
平均点 | 5.25点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 5点 | ボナンザ | |
(2020/06/04 23:56登録) 相変わらず謎の提示は魅力的なのだが・・・。 |
No.3 | 5点 | E-BANKER | |
(2016/09/09 23:04登録) 年齢二千歳(?!)、謎のオカルト探偵サイモン・アークが主人公のシリーズ第三弾。 作者の作品らしく、不可能犯罪てんこ盛りは今回も同様。 ①「焼け死んだ魔女」=魔女の呪いで女子大生が次々に倒れるという怪現象が発生した名門女子大。真相は当然魔女の呪いではないのだけど、こんな化学的(そこまでいうほどでもないけど)な解決とは・・・。でもそれなら普通気付くよなぁー ②「罪人に突き刺さった剣」=村に伝えられた狂信的宗教。裸に頭巾という異様な男たちの集団のなかに死体がひとつ紛れ込んでいた! ただこのフーダニットはかなり強引。○でなくても見分けることはできそうだけど・・・ ③「過去から飛んできたナイフ」=フレンチ・インディアン戦争の舞台で起こる異様な事件。凶器はなんと数百年前に使われたナイフ・・・っていうのが今回の謎。まぁ合理的といえば合理的なのだが、こじつけといえばこじつけにしか思えない。 ④「海の美人妖術師」=海の中から現れ、男性を海中へ誘い込む美女。そう、まるでライン川にいるというローレライのように・・・。でも、この正体、分かってみれば何じゃそりゃ、的なやつ。化学的といえば化学的だが。 ⑤「フェルファル城から消えた囚人」=ナチスドイツの残党を収監した古城で発生した、人間消失+殺人事件。四カ国の精鋭たちが見守るなかで発生した事件なのだが、トリックは昔から使い古されたやつだ。これも気付きそうなもんだが・・・ ⑥「黄泉の国への早道」=六十四階建ての超高層ビル。屋上までノンストップのエレベーターに乗り込んだロックスターが忽然と消え失せ、何と地下のゴミ集積所で焼死体で見つかるというとびきりの不可能犯罪。正直、トリック自体はたいしたことのないものだが、見せ方というかプロットは実に作者らしくてよい。ただ、アレは遠目に見ても気付くと思うが・・・ ⑦「ヴァレンタインの娘たち」=アメリカ中部の街・ヴァレンタイン。その名前にあやかって、聖ヴァレンタイン・デーの日に開催されたイヴェントで起こった殺人事件。これはまぁ最初から見えてたな。 ⑧「魂の取り立て人」=スウェーデンはストックホルムが舞台となる一編。ただそれだけのような作品。 以上8編。 作者の不可能趣味溢れる作品集というと、本シリーズの他「サム・ホーソーン医師」シリーズがあるが、個人的には後者のほうが断然面白いと思う。 オカルトとミステリーの融合というテーマはいいのだけど、どうにも無理筋やこじつけが目に付きすぎてダメなのだ。 そうはいっても、稀代の短編の名手だから、一定の水準にある作品は並んでいる。 ということで、つぎは「怪盗ニック」シリーズだな。 (個人的ベストはやはり⑥かな。真相が意表をつく①の印象的ではある) |
No.2 | 6点 | nukkam | |
(2015/02/18 09:09登録) (ネタバレなしです) ホックが日本の読者向けに選んだシリーズ中短編26作を3冊の短編集に分けて日本出版されたものの最後となった短編集(2011年出版)で8作品が収められていますが他の2つの短編集と遜色ない水準です。濃厚なオカルト色と現代的な真相の対比が印象的な「焼け死んだ魔女」(1956年)、オカルト色は薄いですがエレヴェーターからの人間消失の謎が魅力的な「黄泉の国への早道」(1988年)、海の中から光と共に現れる女妖術師の「海の美人妖術師」(1980年)などが楽しめましたが他の作品も粒ぞろいです(「魂の取りたて人」(1989年)の足音トリックはすぐばれてしまいそうな気もしますが)。また創元推理文庫版の鳥飼否宇による巻末解説はこのシリーズの特徴を要領よく紹介した名解説だと思います。 |
No.1 | 5点 | kanamori | |
(2012/01/08 18:13登録) オカルト探偵サイモン・アークものの第3短編集。 50年代に書かれたものから2編、80年代から6編の作品が選ばれていますが、作風や設定にまったく変化なし。出版社の編集者である「わたし」を伴って、世界各国の悪魔や怪異現象をを調査しているうちに、不可解な殺人事件に遭遇するというパターン。 「焼け死んだ魔女」のまさに今日的すぎる真相もいいけれど、厳重に警備されたドイツの古城からのナチス戦犯の消失や、ガラス張りのエレベーターからのロック歌手の消失など、やはり不可能トリックを扱ったものが印象に残りますね。後者のトリックの真相はダメ出し相当ですけども。 |