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ミステリの祭典

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彼女が追ってくる
碓氷優佳シリーズ

作家 石持浅海
出版日2011年10月
平均点7.20点
書評数5人

No.5 6点 まさむね
(2021/09/05 20:56登録)
 碓氷優佳シリーズ第3弾。個人的には、倒叙形式はそれほど好まず、碓氷優佳のキャラはそれ以上に好まないのですが、カフスボタンの工夫等々もあって楽しく読ませていただきました。最終盤もイイですね。
 一方で、昨晩夕食を共にした知人の刺殺死体を前にしながら、警察への連絡をせずに2時間も推理をする大人たちって、どうなのでしょうねぇ。しかも亡骸のある部屋でねぇ。まぁ、この作者なのだし、読者が慣れるべきなのか。

No.4 6点 メルカトル
(2020/01/17 22:20登録)
旧知の経営者仲間が集う「箱根会」の夜、中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに、死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが、ゲストの火山学者・碓氷優佳は姫乃が残したメッセージの意味を見逃さなかった。最後に笑う「彼女」は誰か…。
『BOOK』データベースより。

倒叙ミステリと言うのは犯人の心理がどれだけ詳細かつ繊細に描かれているかが勝負の一端だと思います。その意味でこの作品は成功しているでしょう。箱根会の仲間たちがああでもないこうでもないと推理を巡らす間にも、夏子の心情が細部に至るまで描かれているので、読み手としては臨場感を味わうことが出来、さらにその時々の状況を知ることが出来ます。

問題は優佳がどのように夏子を追い込んでいくのかですが、意外とあっさり窮地に立たされ、すんなり罪を認めてしまいます。えっこんなことで?というのが正直な感想ですが、まあ確かに急所を突ているとは言えると思います。却って煩雑な論理展開の末に徐々に迫っていくよりも、スッキリしていて良いのかも知れませんが。しかし、その後のカフスボタンの謎や被害者である姫乃の奸計にはかなり意表を突かれました。まさに最後に笑うのは誰か?って訳ですよ。
ところで作中には優佳は童顔であるとの記述がありますが、ノベルスの表紙はどう見てもクールビューティな美形なのはどうしたものでしょうね。どうでも良いですが。

No.3 6点 E-BANKER
(2014/08/27 21:13登録)
「扉は閉ざされたまま」「君が望む死に方」に続く、碓氷優佳シリーズの三作目。
相変わらずの“クール&ビューティー”振りを発揮する優佳の推理が本作でも炸裂!するのか?

~旧知の経営者仲間が集う「箱根会」の夜、中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺害した。愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて・・・。証拠隠滅は完璧。さらに死体が握る「カフスボタン」が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが、ゲストの火山学者・碓氷優佳は姫乃が残したメッセージの意味を見逃さなかった。最後に笑う「彼女」は誰か?~

作者の作品でも、本シリーズは別格。
一作目の「扉は閉ざされたまま」は各種ランキングでも上位を占めた作品だし、「倒叙ミステリー」としての要素をすべて備えた佳作だった。二作目のプロットも前作の焼き直しではなく、新たな角度から倒叙ミステリーを捉えた良作。
そして三作目というわけなのだが・・・

正直なところ、前二作よりは落ちるなという感想にはなる。
何しろ、真犯人の計画も完璧なものというわけではなく、「曖昧さ」を最大限利用しようとしたものであり、「緻密」とは対局にあるもの。
しかも、優佳にはあっという間に真相に気付かれるはめに・・・
まぁ「倒叙ミステリー」であれば、単なる裏返しというレベルではなく、真犯人が自身の計画とは予想外の事件が起こり右往左往する・・・というプロットがよく登場するが、本作の“予想外さ”も相当強烈なものだ。
それが明らかになる終盤、そして何よりもラスト一行の衝撃!
こりゃ相当ブラックだなっていうか女は怖い!

とにかく“推理機械”の異名をとる優佳の推理を堪能してください。
こんな女性がいたら、男は絶対に嘘をつけないんだろうなぁ・・・
すぐにバレる。
(続編も楽しみなシリーズ。でも、作者の作品ってこれと座間味君シリーズ以外それほど面白くないのが残念)

No.2 8点 蟷螂の斧
(2012/09/23 14:06登録)
倒叙ミステリーです。中条夏子は、愛した男の命を奪ったかつての同僚黒羽姫乃を刺殺した。証拠隠滅を謀ったつもりであったが、死体はなぜかカフスボタンを握っていた。これはいったい何を意味するのだろう。この真相には、かなりの高評価をつけたいと思います。探偵役の碓氷優佳も、クールでなかなかいい味を出しています。特にラストシーン。だだし、犯人の「眠たくなって部屋に戻り、30分後に月を見たくなって外へ出た。」という言葉を「はい、終了」(名セリフ?)として嘘と決めつけてしまうのは、かなり強引ではないでしょうか(笑)。

No.1 10点 トラさん
(2011/11/03 07:03登録)
面白いです
オススメします
http://tora.blog.eonet.jp/default/2011/11/post-0152.html

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