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ミステリの祭典

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ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件
ドS刑事

作家 七尾与史
出版日2011年08月
平均点4.75点
書評数4人

No.4 5点 ミステリ初心者
(2023/04/27 18:22登録)
ネタバレをしております。

 読みづらい翻訳作品の合間には軽くて読みやすい推理小説が読みたくなりますので、こちらの作品を読みました。半分は当たっていましたが、半分は当たっていませんでしたw
 警察が主人公サイドの小説のため、連続殺人事件を追って少しずつ全容が明らかになっていくタイプです。私はこのタイプがあまり得意ではなく、鬼貫警部ものも若干の読みづらさを感じますw ただ、本作はキャラクターが漫画っぽいこともあり、割とすらすら読むことができました。
 タイトルにもある通り、探偵役(?)の黒井マヤがドS刑事であり、面白かったです。ドSの定義はよくわかりませんが、ドSというよりクソガキ(ガキという年齢ではないが)やわがままお嬢様みたいですね(?)。猟奇的な物を好むようですが、それ=Sって訳でもないでしょうしね。急にデレたのは違和感がありましたw もう少しなにかイベントがあってもよかったのでは…?
 キャラクターはユーモアミステリの様であったのですが、事件の真相は結構暗いものでした。大量の人間が死にますし、どう考えても死ぬには可哀想な人間もいます(というかほぼほぼ全員)。なので、純粋なユーモアミステリを求めて読んだとしてもちょっと的外れかもしれません。

 推理小説的な部分について。
 犯人当てやトリックの類はなく、ミッシングリンクとも少し違うような感じですね。動機当てというか、事件全体のカラクリを当てるタイプなのでしょうか? あまり、当てる・当てないにこだわるよりも、ドラマのようにしてみたほうがいいかもしれません。
 私は、西川が交通事故を起こした時点で、やっと全体像に近いものが見えました。事故をしているのに妙に冷静に腕組みをしている女性を見て、始めとつながった感じがありました…が、もちろん細かいところまではわからず。

 がっつりした推理小説ではなく、息抜きに読む推理小説に向いていると思いました。

No.3 2点 mediocrity
(2021/04/01 02:45登録)
一見すると、東川先生の作品のようなユーモアミステリ風なのだが、最後まで読むと全くの別物。
主人公の刑事は、ドSなどではなくただの死体愛好者。犯人も真相がわかってみれば相当の性格異常者。
はっきり言って、狂人が起こした連続猟奇殺人を、猟奇殺人愛好者の刑事が解決するという、考えれば考えるほど気持ちが悪い作品。

No.2 6点 まさむね
(2012/12/24 22:33登録)
 サクサクっと進行させつつの,終盤の捻りはなかなか良かったですね。単なるキャラ小説かと勝手に思い込んでいたことが功を奏した(?)のか,個人的には,結構ベタなネタながらも想定以上に楽しめましたよ。
 ちなみに,主人公の性癖と「ドS」とは全く異質のものであります。さらに,そもそも彼女がドS気質であるのかも怪しい。確かに,タイトルには相当の違和感があります。

No.1 6点 虫暮部
(2012/08/29 16:13登録)
ドSだのイケメンだの、安っぽい口語が頻出する文体はメタ的なジョークとして楽しめた。ストーリーとしても面白かったが、これでいいのか?という気持ちも拭いきれない。
 あと、死体マニアとドSは全然別のカテゴリでしょってことで、タイトルに異議あり。

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