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ミステリの祭典

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大いなる救い
リンリー警部/別題「そしてボビーは死んだ」

作家 エリザベス・ジョージ
出版日1991年01月
平均点5.75点
書評数4人

No.4 5点 蟷螂の斧
(2016/01/10 20:51登録)
裏表紙より~「ヨークシャーの片田舎で、首を斧で切り落とされた農夫の死体が発見された。そばには自分がやったと呟く娘の姿が…だが、彼女は心を堅く閉ざしてしまう。捜査にスコットランド・ヤードからリンリー警部とハヴァーズ巡査部長が派遺された。二人が人間関係の闇の奥に見た戦慄の真相とは?アガサ賞、アンソニー賞、フランス推理小説大賞を受賞したミステリ界の新女王の話題作。『そしてボビーは死んだ』改題」~

爽快感が全く感じられない作品でしたね。捜査する男女のコンビに感情移入ができなかった。コンビのいろいろな背景を描くことが、作者の言う人間を描くということなのかもしれませんが、逆に邪魔になっている気がします。解説者はそこが魅力といっていますが・・・。本作(1988)より後発ですがシドニー・シェルダン氏の作品(1998)で本テーマの免疫?ができていたので衝撃度はそれほどでもというより予想内でありました。

No.3 7点 nukkam
(2011/11/07 19:59登録)
(ネタバレなしです) 生っ粋の米国人ながら英国を舞台にした推理小説を書き、英米両方で高い評価を受けているエリザベス・ジョージ(1949年生まれ)による1988年発表のデビュー作で凄みを感じさせる傑作です。本格派推理小説ですが誰が犯人とかどうやって殺したかとかの王道的な謎解き要素はあまり重視されていないプロットですが、読むのが辛くなるような真相の衝撃が読者を打ちのめします。丹念な人物描写はP・D・ジェイムズに匹敵しますが、こちらは感情をむき出しにする場面も多くて物語にメリハリがついており、重厚さと読みやすさが両立しています。なお本書は新潮文庫版では「そしてボビーは死んだ」というタイトルで発行されていますのでダブって入手しないようご注意を。

No.2 7点 kanamori
(2011/03/08 20:52登録)
伯爵の家系をもつリンリー警部シリーズの1作目。
ハヤカワミステリ文庫の出版順に「ふさわしき復讐」から読んだのが間違いだったのか、以前は”ハーレクイン・ロマンス風味のP・D・ジェイムズ”という感じで合わなかったが、他の書評サイトを見て興味が再燃し読んでみました。
この小説の謎の核心は、被害者の娘で容疑者のボビーに関する”ホワイ”に尽きるのだけど、最後に明かされる真相には本格ミステリの枠に収まらない衝撃と陰惨さがあった。
被害者を巡る人間関係が複雑なのは、ある種ミステリの常道といえますが、捜査側の人間ドラマまでもこれだけ重厚に描いているのは珍しい。リンリーと親友の鑑識担当セント・ジェイムズを軸にした男女の”四角関係”に加え、部下の女性刑事ハヴァーズの出身階層からくるリンリーへの辛辣な反抗心など、少なくともシリーズ初期作は、読み通したくなる魅力がある。

No.1 4点 江守森江
(2011/02/11 02:52登録)
AXNミステリーで先日から帯再放送が始まったリンリー警部シリーズ。
ドラマ・エピソードと原作タイトルが違い戸惑ったが、電子番組表の番組解説には親切にも原作タイトルが銘記されている。
アメリカの女流作家ながら英国を舞台に描き英国で高評価らしい(作家の評価に無関心なので詳細不明)
結構原作も書かれていてドラマがひとり歩きしてはいないが翻訳がストップ状態でシーズン3まで日本語版ドラマが放送されエピソード的には先行されている。
貴族で男性の上司リンリー警部と平民で女性の部下ハヴァーズ刑事(ドラマと原作で名前の表記が違うのはダルジールに同じ理由なのか?)がコンビで事件解決にあたるが、先々信頼関係は築いても恋愛関係には発展しないらしいのが救い・・・でもタイトル「大いなる救い」の由来ではない。
最初から首なし死体やら陰鬱な舞台設定やら、更には主役達の周辺の入り組んだ人間関係やら非常に重苦しい(大横溝のオドロオドロした雰囲気を乾いた英国風にした感じ←正確な表現か自信なし)
性的虐待部分をカットしたドラマでも、事件と人間関係は鬼畜だらけな英国風(英国ミステリの第一印象)全開なので陰鬱で重苦しい作品を好きでないと厳しい(字幕をサラッと読みながら早送り視聴で逃げる手もある)
毎度のおさらい読書で鬱陶しい部分を端折って読んだから随分楽だったが、私には原作から先に手は出ない。
本来なら4点だが、原作とドラマ両方を批評した感想ブログが、先々のドラマ視聴とおさらい読書の参考になったので5点とする。

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