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ミステリの祭典

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新世界崩壊
上小野田警部シリーズ

作家 倉阪鬼一郎
出版日2010年09月
平均点4.75点
書評数4人

No.4 5点 Kingscorss
(2020/09/27 20:22登録)
バカミス大好きという前提での点数付けです。なんというか、ただただ惜しいと思いました。

メインのアイディア自体はバカミスとしてかなり良かったと思うんですが、その後の異様にしつこいメタ視点の解説がいただけない。特に一々ページ数まで指定され、しかもその量が異常に多いので途中からどうでも良くなってきます。多分労力に対して面白さが比例してないかと。

講談社ノベルス特有の2段印刷を活かしたトリックと設定は本当にバカミスらしくてよかったんですが、メタ視点の言葉遊びと暗号の言葉遊びはかなり蛇足に感じました。

最後のレストランの謎もかなり初期からバレバレなので最後にもったいぶって持ってくるようなネタでもない気がし、完全に不要で、言葉遊びのためにどうしても内容が薄くなるぐらいなら、ノベルス版の二段印刷を活かした館のネタ一本だけでもっと話を盛り上げたほうが何倍もいいバカミスになったと思います。

メインのアイディアが素晴らしく良かっただけにもったいないなぁと思いました。

No.3 6点 いいちこ
(2015/12/10 19:21登録)
作者の作品は初読だが、バカミスと認識したうえで手に取った。
異様に焦点のぼやけた描写や、あからさまに怪しい童話など、仕掛けがあることは歴然としていたが、それでも舞台設定にかかる真相は強烈。
あらかじめ登場人物の性格付けが提示されているとしても、地の文は明らかにアンフェアであるし、裏表紙のあらすじさえも活用するアイデアには脱帽しつつも、その記載内容はやはり明らかにアンフェアであるのだが、それでも非現実的な「トンミス」に陥ることなく、現実的な「バスミス」の枠に留まりつつ、比類ない驚愕と失笑を演出している真相は圧巻。
そのうえで、上下段同時進行という前例のない趣向と、それを活かしたグラフィックデザイン上の仕掛けは、論理性は皆無であるものの強い説得力があり絶妙。
ただ、この2つの仕掛けがあまりに素晴らしいだけに、この2点にフォーカスすべきであった。
作者のサービス精神は理解するものの、童話はじめ他の仕掛けや丁寧すぎてやや下世話な解説は不要だし、犯行動機はもう少し現実的な線で料理してほしかった。
以上、変化球が来るとわかっていても打ち取られてしまう奇想と熱意は手放しで認めるだけに、ややもったいなさを感じる作品

No.2 4点 江守森江
(2010/11/26 12:25登録)
小説としての内容の無さは読書ペースが決して速くない私が小一時間で読了した事が端的に示している。
それでも、作者のバカミスに小説としての内容やデキを求めるのは野暮の極みだろう!
一方で、無駄に手間暇を費やすバカミスが作者の真骨頂だと理解はしても同系統(上下二段同時進行描写も同系統と感じたのは痛い)の無駄を何連発もしたら‘飽き’が生じるし、稚気も評価出来なくなってくる。
※要注意!
経験者(利用者)にはネタバレになります。
手に取る前は「新世界」なタイトルから昭和の高度経済成長期を舞台にした(ピンク)キャバレーネタ(一時期キャバレー「ロンドン」チェーンが生活圏に多数存在した)だと想像した。
しかし、読み始めで現代だと判明し一旦戸惑うも、半ばまで読まずに正体に到達する。
しかも、実際の利用&移動経験がある私は、前回の「三崎〜」のオチから推測し所在地オチまで一気に到達してしまった(独身時代の長かった作者なので同様な経験がありそうだ!)
ここまで無駄にマンネリ化すると後半の解説も鬱陶しい自己満足でしかなくなる。
前回の「三崎〜」で、この方向性の頂点を極めただけにバカミス界の小林幸子を目指すなら斬新さも必要になってくる。
本来なら3点だが、実体験にノスタルジーを擽られ1点加点した。

No.1 4点 kanamori
(2010/11/16 18:00登録)
バカミス。「この館の正体は何でしょう?」シリーズの第3弾。
さすがに、同じような趣向を続けられるとインパクトは落ちますね。泡坂風の活字のお遊びも、作者の労力の割に面白味に欠けるのは前作同様でした。
ニューヨークからロンドンへの瞬間移動のメタな仕掛けが、小森健太朗のあれに匹敵するおバカさで、これは笑撃的でした。

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