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ミステリの祭典

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夜明けの睡魔
瀬戸川猛資

作家 評論・エッセイ
出版日1987年10月
平均点7.80点
書評数5人

No.5 7点 測量ボ-イ
(2013/10/06 22:12登録)
海外ミステリのガイド本として有用な評論集です。
20年以上前に書かれているにもかかわらず、その古さを
感じません。
著者の瀬戸川氏はもう故人ですが、決して大勢の意見に
流れない独特の評論で良く言えばポリシ-があり、悪く
言えば独断的です。
僕自身も共感できるところとそうでない部分があります
が楽しく拝読できました。

No.4 9点 こう
(2012/01/26 00:06登録)
 海外ミステリの評論、ガイドとしては個人的には最良の本の一つです。
 読んでいて筆者がミステリが大好きなことが良く分かる本で独特の語り口が好きでした。
 私も筆者の推薦本には他のガイド本も含めて当たり外れはありましたがアンドリュウガーヴなんてこの本に巡り合わなければ読むことはなかったと思います。モールの「ハマースミスのうじ虫」のように創元クライムクラブ+この本の推薦で過度に期待しすぎたものもありますが。
 名作巡礼で古典を切りまくりつつフォローしているのも楽しめましたし特にディクソンカーを扱った書評は筆者のカーキチぶりが味わえてほほえましいです。
 既読作品が多いのですが未読作品の中でこわいものみたさでエドウィンコーリーの「日本核武装計画」をいつか読んでみたいなあと思っていますが以前アマゾンでみたらめちゃくちゃ高額で手がでなかった記憶があります。他のガイド本でも筆者が推薦しているのは見たことありますが他の評論家が挙げている所は見たことありません。

No.3 10点 Tetchy
(2010/10/16 23:46登録)
これは史上稀に見る大傑作評論・エッセイである。全てのミステリ評論家は本書をバイブルとして座右に置く事を義務付けるべきだ。
入り込んでいきやすい文章と作品に対する着眼点の鋭さ。これは本書が13年前に書かれた事実を忘れさせてしまう。
特にロス・マクドナルドは本格ミステリ作家であるだなんて提言は、昨今正にそのような再評価が成されている状況を鑑みるとその先見性に驚嘆そして戦慄を覚えたし、『赤毛のレドメイン家』の分析も、正に眼からウロコ物であった。

享年51歳。改めて早過ぎる死だと痛感した。

No.2 7点 kanamori
(2010/10/04 18:54登録)
海外ミステリの読書案内本のなかでは、かなり良質な内容で、切り口がユニークで興味を掻き立てられる書評が多く楽しめた。
第1部の<夜明けの睡魔>は、ミステリマガジンに80年から連載され、主に当時の翻訳話題作を毎回取り上げている。ラヴゼイ、ジョイス・ポーター、デクスターなどの本格派から、ニーリイ、フリーマントルまで幅広い。ヒラリー・ウォーのフェローズ署長ものをパズラーとするのは強引ですが。
第2部<昨日の睡魔>は、古典の名作を取り上げ、乱歩の呪縛を解いた客観的再評価を試みていて面白い。「そんなに傑作ですか?Yの悲劇」から始まり、各名作を容赦なく斬っているが、最後はきっちりフォローしている点に、作者のミステリ愛を感じる。
東京創元社の文庫で再読したが、早川書房編集部の何人かに感謝の言葉を述べた「あとがき」を再録しているのには笑った。

No.1 6点 江守森江
(2010/07/25 09:33登録)
書評1000件カウントダウン「8」
これまた図書館の評論コーナーの棚で目に留まった。
本来なら海外翻訳作品ガイドは読まないのだが、嗜好についての三段論法的考察から、瀬戸川猛資とは平行線ではなく交わるのではないか?と思い眺めてみた。
翻訳ミステリに力点を置かない私でも、何冊か早急に読んでおきたい作品があったので正解だったと言える。
しかし、この本の肝は内容では無く、読書好きなら皆が頷くであろう「夜明けの睡魔」なる洒落たタイトルだろう!
これで、紹介した作品全部が徹夜本だったなら麻薬的な「悪魔の書」になっていたかもしれない。
※追記(10月17日)
私的に、海外翻訳作品は古典的名作群を含み圧倒的に未読作品が多く本書を評論として評価出来るレベルに到達していないのでガイド限定の採点になっている。
先月からミステリードラマ視聴に追われ「夜明けの睡魔」どころか年中睡魔に襲われている。

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