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ミステリの祭典

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二つの陰画

作家 仁木悦子
出版日1964年01月
平均点6.50点
書評数4人

No.4 5点 ボナンザ
(2017/04/30 18:03登録)
クリスティっぽい仕掛けではありますが、ストーリーもしっかりした良作です。

No.3 8点 斎藤警部
(2016/12/02 00:13登録)
そーれにしても、悦ッちゃんの昭和アパート話は魅力があって本当になごむ。殺人が起きてるってのに!
んで話の発端のアパート住民描写もなんだか柔いしね、全体の七分の六くらい行くまでは、人生と同じで楽しきゃいいと思ってたんですよ、ところがねアナタ、こっちが勝手に決め付けた緩い基準値をベリーロールで遥かに上回っちゃたのはまるで優し過ぎる連城のような厚みある重層反転でした。「優し過ぎる」って形容は時々密かに最高の賛辞の隠れ蓑になったりするもの。こんな爽やかで小気味明るい大団円に迎えられるんだね。プロローグと最終局面の最高に冴えた共鳴関係もイカしてるよ。全くノーマークだったくせに実はしっかり印象残ってたあの人物が鍵となる存在とはね。。9点に迫った8点。8点とは言え最高です。
そしてそして、講談社文庫桑原茂夫さんの解説にあった探偵役機能論がまた素晴らしい冴え! 考察としても、キラキラの雰囲気作りとしても、正鵠を穿ちまくりだ。参った!

No.2 6点 nukkam
(2016/01/23 08:39登録)
(ネタバレなしです) 1964年発表の長編第5作の本格派推理小説です。アパートの大家から部屋代の値上げを宣言されて頭にきている若い夫婦が主人公で探偵役ですがシリーズ探偵の仁木兄妹といい、この作者はアマチュア探偵コンビの活躍を描くのが得意ですね。密室殺人事件を扱っていますが前半は地道な捜査と探偵の苦戦ぶりが丁寧に描かれていて盛り上がりには乏しいです。しかし終盤では謎解きのスリルを楽しめました。犯人が犯行に至るまでの経緯も詳細に説明されますが、ちょっと犯人に好都合過ぎな展開だったような気がします。

No.1 7点 kanamori
(2010/07/05 21:25登録)
飛びぬけた傑作はないけれど、駄作もない作者の長編の中では、個人的に一番よく出来ていると思った本格編。
檪健介夫婦が自身のアパート内で発生した密室殺人にいどむオーソドックスな集合住宅ものですが、それぞれ秘密を抱えるアパート住民たちの造形とミスリードぶりが冴えています。密室を構成する理由もナルホドーと感心しました。

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