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ミステリの祭典

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きみとぼくの壊れた世界
世界シリーズ

作家 西尾維新
出版日2003年11月
平均点7.40点
書評数5人

No.5 7点 Rina
(2024/12/04 11:34登録)
その他の要素が多すぎるような気もしますが、本格ミステリとしてよくできています。
「もんだい編」を読んだ時点では推理のための手がかりがあまりにも少なく、正直ミステリとしての出来を疑ってしまったのですが、「かいとう編」には素直に驚きました。いや、本当に素晴らしい。
死体や事件現場の状況・登場人物の人数を極端に制限したことで、無駄のない(?)作品に仕上がっています。推理の過程も見事です。
西尾維新はどうしても文体の癖や突飛なキャラクターばかりが取り上げられがちですが、もっとミステリ作家としての一面も評価されるべきだと思います。


※以下、若干のネタバレをしています。


本作のトリックには剣道が大きく関わっており、恐らく剣道に関する基本的・常識的な知識がある読者であればとある違和感に気がつき、それが推理のヒントになるように作者は書いているのではないかと思いました。しかし、10年以上剣道を嗜んでいる私は、反対にその違和感に一向に気がつかなかった……。
恐らく、剣道に親しみ過ぎているからこそ、その場面を頭の中で勝手に自分のよく知った剣道の状況で想像してしまったためだと思います。
こちら側に利があっただけに、悔しいです……。

No.4 8点 虫暮部
(2016/06/10 11:28登録)
 ファンの欲目ではあるが、ミステリとしては小粒のネタを核に据え、周囲に分厚くコロモをかぶせて本を一冊でっちあげる、という場合に、そのコロモがこれほど美味い作家というのもそういないと思う。ネタが小粒なのも、コロモを美味しく味わうにはこれ以上入り組んだミステリ要素は邪魔、という冷静な判断なのだろう。本書では夜月が様刻にすがりつくシーンがあまりに印象的。“本の熟成”は私もよくやる。いろいろ敵に回しそうなミステリ談義も楽しい。
 因みに私は、西尾維新式の過剰なネーミングは好きだなぁ。同姓同名が偶然存在して余計なイメージをしょいこむリスクが少ない、と言うメリットもあると思う。

No.3 7点 メルカトル
(2014/10/26 22:19登録)
シスコンの兄とブラコンの妹と、その兄妹を取り巻く学友たちの青春ストーリー。ミステリの要素もあるが、とても本格とは呼べない、言ってみればエンターテインメント作品であろう。
それにしても相思相愛の兄妹は、読んでいて正直気持ち悪い。いわゆる妹萌えなのだろうが、あまりにもいちゃつき過ぎで、これは誰もが引き気味になるのではと思う。私には一人妹がいるが、勿論女として意識したことなど一度たりとてないし、大体「お兄ちゃん」などと呼ばれた記憶もない。まあ出来の悪い兄貴なのでさもありなんと言ったところだ。すまぬ妹よ、やくざな兄を許せ・・・
これだけ貶してなぜこの点数なのか、それは各キャラが立っているのと、かいとう編のクイーンばりの推理の構築が余りに見事だったからという理由である。もんだい編では、死体の状況すら分からず、これだけの材料でどうやって犯人にたどり着くのか不思議だったが、それを難なくクリアしている手腕が素晴らしい。作者自身が予防線を張っているように、容疑者を限定してしまっているが故に新たな問題が生じているのは間違いないが、可能性の拡張はどのミステリにも共通するものとして排除されている。よって、本作の欠陥とはなり得ないと判断してもよいだろう。
尚、各章に挿入されているイラストにもいくらか点数を差し上げたいくらい、作風とマッチしている。
しかし、様刻、夜月、箱彦、黒猫、六人と妙な名前を付けるのは、作者の趣味なのか。普通の名前でいいじゃんと思うけど。

No.2 6点 どうらく
(2007/11/14 18:01登録)
ミステリと思っていると、事件の真相にはがっかりさせられると思います。
暇つぶしとして、お気楽に読んで欲しい作品です。
けど、作品に出ている兄妹の掛け合いは相当萌えますよ。

No.1 9点 Pj
(2005/03/06 14:48登録)
脱格系のお手本のような作品。戯言シリーズやりすかはそこまで好きになれないが、この作品は素直によく出来てると思った。特に閉じ方はお見事。

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