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ミステリの祭典

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銅婚式
佐野洋 推理傑作選

作家 佐野洋
出版日1977年10月
平均点8.00点
書評数3人

No.3 8点 パメル
(2019/12/04 01:06登録)
「週刊朝日」と「宝石」共催の企画に投じたデビュー作「銅婚式」が入選した。その「銅婚式」を含む8編からなる短編集。
さすが短編の名手と言われるだけあり、どの作品も一定の水準に達しており、粒ぞろいといってよいと思う。(短編の数はトータルで千編を超すというから驚き)
卓抜した着想と整然とした構成、精緻に張り巡らされたフェアな伏線、揺れ動く心理の丁寧な描写力、ひねりの効いたプロットに意外性の演出、軽快なストーリー展開にほどよいリアリズムと全体的に完成度が高い。
ただ、大掛かりな物理トリックや、怪奇的・幻想的な味付けは一切排除されているので、どちらかと言えば地味ではある。

No.2 9点 斎藤警部
(2015/05/19 18:28登録)
素晴らしく充実した本格ミステリー短編集。意外性の宝庫。
海外ミステリばかり読んでいる人(今時いないかも知れませんが)が「たまには(乃至はじめて)日本のミステリも読んでみたい」なんて言うならこの第一級短編集を薦めてあげたいかな。

後年のあっさりした短編群も嫌いじゃないですが、敢えて人に薦めたいのはやっぱり初期の、洒脱ながらも何気にこってり濃厚な作品達かな。

不運な旅館 /赤いすずらん /さらば厭わしきものよ /二度目の手術 /銅婚式 /離婚作戦 /不貞調査 /カメラに御用心
(講談社文庫)

No.1 7点 kanamori
(2010/03/10 20:52登録)
第1短編集。
50年以上ミステリを書いている作家だから短編集も相当数ありますが、この最初に出した作品集を超えるものがないというのは皮肉です。表題作は有名ですが「不運な旅館」も相当なもの。トリッキイな作品が満載ですね。

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