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ミステリの祭典

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シャイロックの子供たち

作家 池井戸潤
出版日2006年01月
平均点7.00点
書評数4人

No.4 7点
(2013/10/03 09:41登録)
連作短編ミステリーとして、個人的にみて理想の形に近い。

読み始めで、かつて読んだことがあるような経済短編という感触があった。城山三郎、高杉良、それとも横山秀夫なのか、と。
でも、途中からは、これが池井戸短編なのかと納得し、満足し、好みのスタイルの連作短編集を堪能することができた。
ただ、短編ごとに主役が交代するので、あらかじめ小説のスタイルを知っていて読むほうが人物の識別にも役に立つはず。ある短編で脇役だった人物が、その後の短編では主役に抜擢、という感じだから。その人物が短編ごとに良く見えたり悪く見えたりするのには、頭が混乱しそうだが、そこが面白いところでもある。

昨年から、「果つる底なき」「銀行狐」と読んできたが、本書はこれらとは違い、(想像だが)これこそが池井戸作風といっていいのではないだろうか。ただ、ブームとなったドラマ「半沢直樹」でもお馴染みの痛快性はない。
メガバンクの支店を舞台にした、ミステリー要素たっぷりの、欲望あり、悲哀ありの企業内群像劇といった感じか。支店員たちの家族を含めたちょっと哀しい挿話が入っているのも特徴だろう。

ラストにはどんでん返しあり。このラストは想像できた。よくあるパターンで、じつは昨年公開された、同様のトリックを用いた映画を最近テレビ放映で観たところだった。でもこの映画は感動モノの大作で、ミステリーが売りではないのだが。

No.3 6点 haruka
(2013/03/22 02:02登録)
文庫本解説の通り、東京第一銀行長原支店という小宇宙のなかで繰り広げられる大小さまざまな事件。連作短編という形式で、最後に全体像が明らかになるが、意外性はなく、爽快感もない。銀行員の群像劇としてはさすがの安定感だが、最終話でもうひと捻りほしかった。

No.2 7点 akkta2007
(2012/02/22 19:10登録)
読み始めると、一気に読んでしまった。
まさに、銀行って感じ・・・
話の展開も非常によく、池井戸氏の他の作品が気になって仕方がない。

No.1 8点 E-BANKER
(2009/09/13 17:53登録)
作者得意の連作短編集。
とある銀行の1支店の中で、つぎつぎと事件?が起こっていきます。
氏の作品のほとんどは銀行を舞台としており、本作もそうですが、テーマとしては「ごく普通の人間が持っている嫉妬や欲、狂気という感情を要因として起こる事件・犯罪」であり、それが銀行という組織や銀行員という人間性というフィルターを通すことで、一層魅力的な作品になるんじゃないか・・・という感想です。
本作は一気読み必至の良作という評価でいいと思います。

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