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ミステリの祭典

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国境
疫病神シリーズ

作家 黒川博行
出版日2001年11月
平均点8.60点
書評数5人

No.5 9点 TON2
(2012/12/19 21:13登録)
講談社文庫
 建設コンサルタントの二宮と暴力団幹部・桑原の「疫病神」コンビが、詐欺師を追って北朝鮮に潜入します。
 ヤクザの世界は嫌いですが、この作品は北朝鮮の表と裏、平壌と地方、党幹部と一般庶民の様子がよく描かれていて非常に面白かったです。
 桑原が北朝鮮の指導者を「パーマでぶ」と呼ぶところで笑えました。桑原は絵に描いたような極道ですが、その話しっぷりや行動を見ていると、相当に頭のよい人間だということが分かります。二宮へのイヤミを見ると、ユーモアセンスが抜群だと分かります。

No.4 7点 蟷螂の斧
(2012/11/26 18:25登録)
小説として楽しめたが、やや長編で時間がかかってしまいました。いわゆるミステリー系(謎解き)以外に分類されるエンタメ系、ハードボイルド系はあまり好みでないので・・・この評価で。

No.3 8点 kanamori
(2010/09/11 14:28登録)
ノワール風でありながら軽妙な語り口のクライム小説、二宮&桑原コンビの「疫病神」シリーズ第2弾。
北朝鮮に潜入する日本の極道、もうその設定だけで面白さは保障されてます。国境の凍結した川を渡るシーンなど、並みの冒険小説顔負けの緊迫感でありました。
しかし、将軍様のことを「あのパーマ・デブ」なんて言っちゃって大丈夫なのか?

No.2 9点 ZAto
(2009/10/17 13:19登録)
桑原にしてみればゴロ巻きの相手が同業のやくざから社会安全員や国境警備兵に代わっただけのことであり、二宮にしてみても身にかかる火の粉として極道社会も北朝鮮国家体制も似たようなものなのかもしれない。
しかし、だからといってミナミで成立する話を半島から大陸まで等倍で膨張させたチンケなものではない。
北朝鮮の国勢や地理関係に対する黒川の描写は精緻に渡っている。
ストーリーはフィクションとしても、そのフィクションをしっかりと成立させるには根幹の背景がリアルでなければならないことを黒川は熟知しているようだ。

No.1 10点 あびびび
(2009/07/14 08:16登録)
おもしろい。
北朝鮮の事情がこれほどわかりやすい本もない。

国境というタイトルからはどろどろした感じを受けるかも
知れないが、例によって軽妙な会話とリアルな発想がうまくマッチングして一気に読める。

黒川作品の最高峰かも。

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