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ミステリの祭典

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誘拐ラプソディー

作家 荻原浩
出版日2001年10月
平均点7.50点
書評数4人

No.4 7点 蟷螂の斧
(2015/08/18 20:59登録)
裏表紙より~『伊達秀吉は、金ない家ない女いない、あるのは借金と前科だけのダメ人間。金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はなし。警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に。しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまう―。はたして、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?たっぷり笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語。』~
ドタバタ調誘拐劇です。ユーモア系ミステリーの中で久しぶりにドタバタ調に出会うことができ楽しめました。

No.3 7点 ドクターマッコい
(2013/08/23 08:01登録)
暴力団組長の息子を誘拐した前科者が繰り広げるドタバタ追跡もの。最後は一気読みでしたが子供の考え方、親の愛情の注ぎ方等興味ある文体に惹かれました。

No.2 7点 シーマスター
(2011/05/27 23:51登録)
人生に絶望したケチな前科者、伊達秀吉が桜の花咲く丘の上で、できるわけもない自殺をしようとモタモタしている間に、彼が盗んで運転してきた車に一人のガキ(男のお子さん)が勝手に乗り込み居眠りをしていた。
秀吉は一喝して追い出そうとするが、その子の身なりを見て考えが一転、「これは神様がくれた千載一遇のチャンスだ」
しかしこの童子こそは南埼玉を牛耳る強大な指定暴力団八岐組組長の一人息子、篠宮伝助だった・・・・・・

・・・・・・という素敵なツカミの荻原作品なのだから、そのリーダビリティたるや言わずもがなのノンストップサスペンス。

誘拐モノの傑作といえば「大誘拐」や「99%の誘拐」などが挙げられることが多いようだが、本作はドタバタユーモア系でありながらギャグとシリアスのバランスがよく、ややこしい設定もなく、秀吉と伝助、ヤクザ達、中国マフィア、警察官・・・の言動や心情なども適度なリアリティとドラマ性で描かれている。ペーソスやハートウォームもさりげなく鏤められ、物語のまとめ方も亦宜しからずや。とにかく読みやすくて読み止まらない。

「面白い小説を読みたいが何を読んだらいいかわからない、という人にまずはおすすめ」というありがちな帯の文言も本書に関しては妥当な宣伝文だと思う。

No.1 9点 itokin
(2009/06/24 19:34登録)
ミステリーとは言いがたいが、ハードボイルド、スピード、ユーモア、それぞれ、天下一品。こういうの大好き、特に子供の描写がすばらしい、最後のまとめもよかった。

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