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ミステリの祭典

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死者の身代金
刑事コロンボ

作家 リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク
出版日1974年09月
平均点5.25点
書評数4人

No.4 6点 青い車
(2019/09/14 23:02登録)
 こちらもドラマ版での感想です。本作の最大の見どころは何といっても犯人の落とし方で、普通の人間には通用しない手でも彼女には急所であるはずと読んだ、大袈裟に言うと犯人の心に付け込んだ解決になっています。そして、その解決に違和感を感じさせないよう犯人レスリーの内面を丁寧に描いている点が『殺人処方箋』と同様に上手いです。飛行機の操縦桿を握りながら、殺した夫に対する屈折した感情を覗かせるシーンが心に残りました。

No.3 5点 斎藤警部
(2016/05/18 11:48登録)
ドラマが面白かった! 本もまずまずだが、ドラマほど上手に伝えてないかな。
本作は何と言っても、犯人とは不仲のあの年若い義娘ね、彼女の活躍というか暴れっぷりこそ肝ですよね色んな意味で。犯人捕捉の決定打となる、心理的な側面の大きい『物的証拠』は思わず「成駒屋!」ならぬ「刑事(デカ)部屋!」と大向こうの一つも唸りたくなる(笑)鮮やかさ。
最初期作(二作目)という事もあってか、コロンボがピン!と来るポイントがいちいち初歩的というか分かりやすくて、なんだか推理クイズの定番オンパレードみたい。でもそれが映像作品では実にスリリングで面白いんだよなあ。ピーター・フォークの演技力の賜物なんだろうか(実際ここまで漏れ漏れの手掛かり残したら凡庸な警察官でも合わせ技で見破ってしまいそうなもんだが)。犯人役リー・グラントの顔も好きだ。

No.2 5点
(2013/12/14 14:26登録)
いつもの倒叙モノで、何から何までが最初にばらされている。と記憶していたが、かなり曖昧ではあった。
犯人を特定するためのコロンボが仕掛けた〇〇。これこそがポイント。
映像版は鑑賞済みだが、決め手となる肝心の〇〇については忘れていた。
コロンボの得意とする手法だが、これを忘れるぐらいだから、たいした作品ではないのか、それとも自分がミステリ読みとしていい加減すぎるのか、ただ忘れっぽいだけなのか。
これがなければ「刑事コロンボ」として何の価値もないことはたしかだ。犯人のとった数々の手段は抜けがありすぎるし、リスクも大きすぎる。子供だましのような感もある。

読みやすい作品ではあった。視点が変わっても、その視点人物の心境も描かれていてわかりやすい。初期の作品だからなのか?ジュブナイルでも通用しそう。これほど読みやすいのを褒めるべきなのか、微妙です。
なお、映像ではコロンボ役のピーター・フォークがハンフリー・ボガードの声色で名セリフを真似るシーンがあったが、ノヴェライズではあっけなしだった。じつはどういう風な描かれ方がしてあるのか、それだけが目当てで読んでみたのですが。

No.1 5点 江守森江
(2011/01/18 00:35登録)
先週からAXNミステリーで「刑事コロンボ」デジタル・リマスター版の放送が開始された。
先週の第一エピソードは正月特番の際にノベライズをおさらいして書評した。
今週の第二エピソードからの書評していないエピソードは図書館に赴きノベライズをおさらいして放送後に順次書評する予定(図書館の書庫には殆どの放送エピソードのノベライズが揃っている)
毎度のごとく些細な気づきの積み重ねで早々に犯人の目星をつける(今回は偽装誘拐である事も察する)
しつこく食い下がるが物的証拠が見つけられないのも毎度のパターン。
最後の落としは犯人の性格を読み切り、味方になると犯人が思っている人物の協力を得て騙すお得意のパターン。
第二エピソードにしてコロンボの捜査手法が確立されているのに感心したが、ややゲストスターに頼り気味なのでノベライズでは評価は下がる。
それでも、コロンボは何度観て(読んで)も面白い。
間違っても嫁の居る所で「ウチのカミさんがねぇ〜」なんて発言は出来ない(←私は野々村真並みの恐妻家なのか?)

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