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ミステリの祭典

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心霊探偵八雲1/赤い瞳は知っている
心霊探偵八雲

作家 神永学
出版日2004年09月
平均点5.00点
書評数4人

No.4 4点 虫暮部
(2023/03/17 12:16登録)
 見事に何も無いな~。この “特筆すべきポイントの無さ” が、読書習慣の無い層への入門編としては有効なのだ、とでも思うしかない。

 ファイルⅢ。設定がやや曖昧だが、亡き兄の妻が死んだら、相続権は彼女の子・親・兄弟姉妹にある。弟には総取りどころか一銭も入らないだろ。

No.3 5点 makomako
(2020/10/31 07:26登録)
 推理小説よりもオカルトの方に振れているお話です。
 作者が書いているように、初めは全然評判にならなかったのに、なぜか当たりだして現在は10作を超えるシリーズとなっています。
 そんなに面白いかというと私の好みとしてはそこまではと思うのですが、読んでいくと大変読みやすく(最初は決して読みやすくはないのです)最後まですらすら読めてしまいました。
 不思議な小説ではあります。
 このシリーズにのめり込むことはないように思いますが、次のお話も読んでみたいといった気になりました。

No.2 5点 メルカトル
(2014/05/10 23:26登録)
再読です。
主人公が死者の霊が見える探偵ということで、オカルト+ミステリ的な感じの作品。最初に刊行された時はあまり評判がよくなく、売れなかったが、タイトルを変えて新たに出したところ、嘘のように売れてしまったという曰くつきのシリーズ第一弾。
非常にテンポがよく軽めの文体なので、サクサク読めて、心霊探偵というわりには明るめのタッチで、あまり深刻な作品を望んでいない一般読者に大いに受けている模様である。しかし、肝心の中身が薄いせいか、インパクトに欠けるというか、奥深さを感じさせない辺りは相当なマイナス要素となるだろう。事件そのものもいたってシンプルで、やはりミステリの読み手にとってはいささか物足りないと思われる。もう少し捻りを加えるなり、人間関係を複雑にするなり、工夫が欲しかったところである。
お手軽なライトノベル的ミステリを所望の方向けの作品と言えるだろう。ただし、昨今の易しい系ミステリと比較すると、見劣りするのは否めない。2以降を読んでいないので偉そうなことは言えないんだけどね。尚、単行本のあとがきにあるように、作者本人がサスペンスと発言しているので、ちょっと違う気もするがジャンルはそちらで投票させていただいた。

No.1 6点 songpu gu
(2013/05/11 01:40登録)
死者の魂を見ることが出来るという「赤い瞳」を身に宿した探偵、斉藤八雲を主人公としたシリーズ第1巻。シリーズでは珍しく「開かずの間」から「死者からの伝言」までの3つの短編で構成され、友人からの勧めで大学B塔裏手にあるプレハブ小屋において、ヒロイン春香と邂逅する場面から物語は始まります。

この八雲、まあ愛想無くて、ふてぶてしく、猫のように丸まって学校の施設で寝起きしているという変わったお方ですけど、当初から困っている人をみたら放っておけないといった美質を持ちます。そして回を重ねるごとに彼の「人となり」そして「知られざる過去」が明るみになっていくことになります。

話としては一応ミステリが指標なんでしょうけど、超自然的な力「死者からの伝言」を事件解決に用いるとのことで純粋な意味では推理物ではないかもしれません。しかし八雲の真の武器がそういった特別な力でなく、彼のその推理力と洞察力にあることが、項を重ねるごとに読めば分かっていくかと思います。まあ本作は一応その原点になるでしょう。

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