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ミステリの祭典

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六麓荘の殺人
氷室想介シリーズ

作家 吉村達也
出版日1992年06月
平均点4.50点
書評数4人

No.4 5点 たかだい
(2025/07/20 16:43登録)
個人的に吉村達也という作家は、西村京太郎に次いで時間潰しに最適な作家です
これは決して悪い意味ではなく、肩肘張らずに気軽、手軽に楽しめる作品が多いという事を指してます
本作もまさにソレで、離れた二つの屋敷で双子の姉妹が毒牙に掛かり、片や大量の頭髪と致死量を遥かに越える血痕だけが残され、片や頭を丸坊主にされた上で薔薇を恥部に活けられた姿の遺体が発見されるという猟奇的な謎を主軸に話が展開します
肝心のトリック自体は、(特に推理しながら読まなくても)何となくそうゆう事では?と思った事がほぼそのままだったので微妙と言えば微妙…
私の場合、このシリーズは適当に選んで1〜2冊読んだ(気がする)程度でかなり浅くしか知らないのでアレなんですが、主人公で探偵役の氷室含めキャラ的には意外とターニングポイントっぽいのかなと思いながら読み切りました
総じて、トリック等に意外性はあまり無いものの、一つのミステリー作品としてはまあまあ面白かったです。イマイチって程ではないと思ったのと、作家・吉村達也にそれなりに思い入れがあるので5点とさせて頂きます

No.3 4点
(2012/06/01 09:45登録)
追悼の意味をこめてのレビューです。

トリックは比較的わかりやすいように思います。特に第2の事件について、氷室は舞ちゃんからヒントをもらって解決へと一歩近づきますが、私の場合、その前からだいたい予想していて、この場面を読んで確信したというよりも、むしろなにか裏があるのではと思ってしまったぐらいです(笑)。
自分の推理は当たっていましたが、科学的にうまくいくかどうかは甚だ疑問です。そのあたりの検証を解決編でていねいに開示しておけば、本格ミステリとして高い評価が得られたのではという気がします。ただ、このぐらいのほうが受けはいいのかもしれませんが…
本作は本格コードに則っているとはいえませんが、本格の雰囲気を十分に備えて、ほどほどに楽しめた作品でした。

この作家さん、西村京太郎、内田康夫、赤川次郎などの老練な多作作家さんたちを追いかけるように、まだまだ量産しつづけるものと思っていたのですが、あっさりと旅立ってしまいました。
多種多様な数多くの作品を精力的に創り出してくれる作家さんが若くして亡くなられたことは、本当に残念です。

No.2 4点 江守森江
(2010/02/12 08:37登録)
発表当時、赤川次郎と同様なペースで作品が発売され、一年後には古本屋の特売コーナー(選り取り3冊で百円とか)をも分け合っていた。
本格ミステリの枠内での量産にしては駄作にならないレベルを維持し、名探偵のキャラで一定数を売上たが、これぞ代表作と云える作品が無く時代に使い捨てにされた。
このシリーズも最初の五冊は読んだが、掴みの謎が派手な印象以外の細かな内容が残っていない。
当時、パチンコ屋の新装開店(平均、二時間並びで一万勝)の時間潰しに最適な作家の一人だった。
喫煙しないので台確保にノベルス本を使っていたのも懐かしい(家のリホームで約十年前に全部古本屋に売り払った)

No.1 5点 vivi
(2008/09/20 00:51登録)
東西の高級住宅地で、ほぼ同時に、双子が殺されるという謎自体が、
まあちょっとありがちな感じで、トリックも難解ではなかったです。
以下ネタバレ気味ですが・・・

登場人物欄がヒントになりすぎているのは、
ちょっとフェア精神にこだわったせいかもしれませんね(^^;
私は登場人物欄もしっかり読む人間なので。

しかし、氷室探偵。
キャラ設定がここまで大きく変更された人も珍しいです(笑)

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