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ミステリの祭典

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死の第三ラウンド
アイリッシュ短編集2

作家 ウィリアム・アイリッシュ
出版日1960年01月
平均点6.75点
書評数4人

No.4 7点 蟷螂の斧
(2021/03/05 18:16登録)
①消えた花嫁 7点 この作品から傑作「幻の女」が生まれた?
②墓とダイヤモンド 6点 墓の中に遺体とともにダイヤを入れるという。墓あらしの結末は当然地獄へ?
③殺人物語 8点 作中作の嚆矢?完全犯罪を狙う作家。オチは笑える
④死の第三ラウンド 7点 八百長ボクシングで大穴にかけた私。当たったが、それは殺人事件であった
⑤検視 7点 大金が入る可能性があるにもかかわらず、現夫は前夫の墓を暴くことに大反対。見え見えなのだが・・・。墓穴を掘ってしまった
⑥チャーリーは今夜もいない 5点 息子が殺人犯?と悩む警察官の父親 オチは分かりやすい
⑦街では殺人という 8点 「偶然」は陪審員に信じてもらえないと弁護士の考えたことは?それもご都合主義と言えるのだが、弁護士の常識を破るという発想が面白い

No.3 7点 ボンボン
(2018/04/29 23:41登録)
創元推理文庫のアイリッシュ短編集2。
登場人物が直面する事態に恐怖し、焦り、ストレスが高まる場面の映像的な描写が強烈。どの話にも共通する洒落た雰囲気が素敵だが、短編各話の多彩さにも感心する。
アイリッシュは、私の周辺では、一部の新装版を除き本当に手に入りにくく、今回読んだのは、古本屋巡りの中で偶然見つけることができたボロボロの一冊。もっと多くの人に(特に若い人に)読んでもらえるようにならないものか。もったいない。

「消えた花嫁」・「墓とダイヤモンド」・「殺人物語」・「死の第三ラウンド」・「検視」・「チャーリーは今夜もいない」・「街では殺人という」

No.2 6点 ボナンザ
(2014/08/12 23:37登録)
初っぱなの消えた花嫁はアイリッシュ作品によくあるテーマだが、久しぶりに読むと一気に最後まで読み切ってしまう力がある。
アイリッシュの非凡さがわかる短編集。

No.1 7点 Tetchy
(2008/08/07 20:18登録)
アイリッシュは本当にアイデアの宝庫だなとこれを読めば解る。

表題作はボクシング試合中の射殺事件を扱ったもので、映画『スネーク・アイズ』を想起させる。

「消えた花嫁」はよくある失踪物だが、名作『幻の女』の元ネタのような作品。

本格ミステリ色強い「検視」と「街では殺人という」。

しかしこの中では「墓とダイヤモンド」が面白い。冒頭の老女の孤独さがそれ1つで短編となっており、そこから悪漢たちのクライムノヴェル、そしてアイリッシュ特有のアイロニー溢れる結末と鮮やか。

ドラマや映画のネタにしたい話をお探しの方は読んでみては?

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