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ミステリの祭典

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ヴァン・ショーをあなたに
ビストロ・パ・マル

作家 近藤史恵
出版日2008年06月
平均点6.00点
書評数5人

No.5 7点
(2017/10/10 13:47登録)
「ビストロ・パ・マル」シリーズ第2集。
前半は第1集と同様、ビストロでの高築の語りによる話。一方、後半3作は三船シェフのフランス修業時代の話です。どちらも推理担当は変わり者シェフの三船。

彼の推理は、ホームズが初対面でワトソンの手を見てその職業を当てるような、鋭い観察力、洞察力によるものの組み合わせ技で現実味は乏しいが、あっという間に解決するので読んでいて気持ちがいい。
しかも温かみのある内容ばかりで、読後、ほんわかとする。

過去の話を含めても三船の正体は謎だらけ。こういう設定にするのが短編連作推理物を継続させるためのテクニックなのか。
過去の話を織り込んで変化をもたせたのも、もちろん料理もグッドでした。

No.4 6点 まさむね
(2015/02/09 22:17登録)
 文庫化して売れ行きも好調だった短編集「タルト・タタンの夢」の続編。
 前作よりも、ミステリとしての味付けは増していると思います。(とは言っても決して濃い味付けではないのですが…)また、前作の舞台が、下町の小さなフレンチ・レストラン「ビストロ・パ・マル」内に特化していたのに対して、今回は三舟シェフの修行地・フランスでのエピソードも加えるなど、幅を持たせています。前作でここぞという場面で登場した「ヴァン・ショー(ホットワイン)」のレシピ会得秘話も、ファンとしては興味深い。
 前作同様に読み心地が良いですし、肩の荷を降ろして読書を楽しみたい気分のときにはよろしいのではないでしょうか。

No.3 5点 江守森江
(2009/08/16 09:51登録)
グルメ小説ミステリー風味な連作短編集の第二弾。
ミステリーズ連載分に書き下ろし2編を加えた。
書き下ろし2編は終了に向けて舞台を変え前日談を描いたと思える。
「氷姫」で冷凍庫(電気入りの継続性にも疑問)に長期放置された氷が物語の肝になっているが、実際は昇華して縮小(消失)するか、臭いが付着する為に本来なら物語が成立しない可能性あり(後書きでも付して言及してほしかった)
前作同様にグルメ小説として楽しむべきと思うが、細かな気付きの部分ではミステリ風味は強くなっている。
氷の昇華が気になり-1点した。

No.2 6点 あるびれお
(2009/06/23 05:11登録)
近藤史恵といえば「サクリファイス」であるが、本来はこういったコージーな短編ミステリの名手である。気軽に、肩肘張らずにさくっと読書を楽しみたいときにはもってこいの作家さんだと思う。若竹七海さんのような「毒」はあまり仕込まれていないし、かといって、光原百合さんのような「甘さ」だけではないバランス感覚が良い。

No.1 6点 show
(2009/03/13 08:36登録)
ミステリーというよりは軽めの物語。フランス料理好きには楽しめるかも。軽く一気に読める。

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