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ミステリの祭典

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思いがけないアンコール
思い三部作

作家 斎藤肇
出版日1989年03月
平均点3.50点
書評数4人

No.4 5点 nukkam
(2025/01/21 12:21登録)
(ネタバレなしです) 1989年発表の思い三部作の第2作です。「読者への挑戦状」付きの本格派推理小説ですが、探偵役が気づいた不自然なことは何かという「読者への宿題」が早い段階から挿入されているのが本書の特徴です(似たような事例ではドロシー・L・セイヤーズの「五匹の赤い鰊」(1931年)やパトリック・クェンティンの「死を招く航海」(1933年)がありますね)。探偵役が謎解きを途中で放棄して帰ってしまったり、市川哲也の「名探偵の証明」(2013年)や阿津川辰海の「紅蓮館の殺人」(2019年)に先駆けて名探偵の役割と意義を語らせているなど作品個性もあります。もっともいくらフィクション小説の世界とはいえ、犯行を未然に防げないのは名探偵の責任ではないというコメントは暴論の気もしますが(笑)。肩の力を抜いたような文章は読みやすいものの読者の好き嫌いは分かれそうです。真相も結構ひねっており、マニア読者向けの作品かなと思います。

No.3 4点 ドクターマッコい
(2013/05/29 08:40登録)
「ネタばれあり」

名探偵向けの疑似殺人事件は良いものの設定、展開が中途半端でスカッとした印象に欠ける。

No.2 3点 E-BANKER
(2010/02/05 23:19登録)
かなり昔に買ったまま読んでなかった作品。
読まなくてもよかったかな・・・という印象です。
ロジックは感じるんですよね・・・一応。
狙いは悪くないと思うんですけどね・・・作者の。
「読者への宿題」を前半に提示して、さらにヒント付で「読者への挑戦」を挿入するという凝った趣向もあります。
シャム双生児のくだりではさすがにゲンナリしましたが・・・
ただ、本作は小説として決定的によろしくないと思います。読後に何らの感情も抱かせない、上滑りした書き方はどうしようもありません。(ちょっと酷評すぎるか?)

No.1 2点 Tetchy
(2008/05/03 14:45登録)
この「思いシリーズ」(ネットで調べるとそういうらしい)はこの作家なりに本格ミステリの定型を打ち崩そうという努力が見れるのだが、なんとも技量不足の感が否めない。
本書においては全ページ数360ページ強のうち、なんと80ページ目で読者への挑戦状(作品内の言葉を借りれば宿題)が出てくる。

定型を破らんがためにあえてコード型推理小説の意匠を纏っているのだが、逆にそれが他の作家達(有栖川氏や法月氏ら)の作品よりも無味乾燥したパズル小説になっており、なんとも味気なかった。

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