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ミステリの祭典

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暗い森
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーシリーズ

作家 アーロン・エルキンズ
出版日1991年03月
平均点5.25点
書評数4人

No.4 4点 あびびび
(2014/09/09 23:43登録)
殺意はあったとしても、個人的ではなく、その分本格的な推理とはいかなかった。ただ、骨博士としての立場から見る視点はユニークで、この作者ならではないか。

恋愛的進行は楽しくはあったが、その分雰囲気を和らげてしまった感は否めない。しかし、内容的に仕方がない部分かも。彼女と運命的な出会いをし、シリーズの中で最愛の妻として登場するわけだから。

No.3 5点
(2011/11/10 10:40登録)
スケルトン探偵シリーズ第2作です。米国現代本格と聞き初めて読んでみました。
本書は本格色が濃いとはいえないし、プロットも平板に感じますが、会話や人物描写が生き生きとしていて好もしく、テーマに似合わず親近感を覚えます。民族学的なペダンチックな内容をやさしく解説する語り口が読者を惹き付けてくれるようです。
物語は後半、『インディー・ジョーンズ』『ナイルの宝石』ばりの探検モノの様相を呈してきて俄然楽しくなります。この程度の見せ場が中盤にもあれば、もっと起伏に富んだ楽しい小説になっていたのにという気もしますが…。
こんな本格以外の要素があるからこそ、骨から推理するという特殊な設定でも長年にわたり人気シリーズになったのでしょう。

主人公の学者探偵・ギデオンが、その周りを取り巻くFBI捜査官・ジョン、公園保護官・ジュリー、恩師・エイブたちとどのように関わりあっていくのか、どんな難事件を解決するのか、初心者にとって興味深いですね。
謎解き物としては物足りませんが、評点は今後の期待を込めてこんなところです。

No.2 5点 nukkam
(2010/12/24 20:38登録)
(ネタバレなしです) 1983年発表のギデオン・オリヴァーシリーズ第2作ですが、本書は冒険スリラー小説のジャンルに属する作品で、「古い骨」(1987年)や「呪い!」(1989年)のような本格派推理小説を期待すると肩透かしをくらいます。連続失踪事件に猿人による殺人を思わせるような状況証拠と、謎の魅力は十二分にあるのでちょっと残念です(とはいえあの真相では本格派ファンの読者の賛同を得るのは難しいでしょう)。原始時代にタイムスリップしたかのような雨の森林の描写が見事で、息詰まるようなサスペンスを生み出しています。ギデオンが(後に妻となる)ジュリーと初めて出会うということでシリーズファンなら必読です。

No.1 7点 Tetchy
(2008/07/26 20:36登録)
スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーシリーズの第2作目だが、本書こそ真の第1作目とも云うべき作品。
本作で最愛の妻ジュリーとの出会いが描かれる。

本作では本国アメリカのワシントン州の国立公園を舞台にしており、そこに絶滅したネイティヴ・アメリカンの生き残りがいる可能性が高まる。それは行方不明になったハイカーの死体から出てきた凶器が一万年前に絶滅したはずの種族の物だと判明したからだ。

本作では後のシリーズを彩るエイブ・ゴールドスタインやジョン・ロウが既に登場して、もうキャラクターが確立されている。
そしてギデオンのキャラクターすら本作にて完成されている。なにしろジュリーを見て皮膚の下の骨格の美しさに惹かれる、そんな変な学者なのだ。

今回の事件の真相は、実は登場人物表を眺めていると解ってしまった。しかし、シリーズの開幕に相応しい佳作であることには間違いない。

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