運命の裏木戸 トミー&タペンス |
---|
作家 | アガサ・クリスティー |
---|---|
出版日 | 1974年01月 |
平均点 | 3.33点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 2点 | レッドキング | |
(2020/12/29 19:52登録) 1922年出版の「秘密機関」では二十歳そこそこだった若き未婚男女が、1973年出版のこの最後のミステリでは七十を超えた老夫婦へ変貌を遂げ、それでも追い求める物は相も変わらずスパイ・フー?で・・ソシアリズム・ファシズム・コミュニズム・ナチズムの秘密結社で・・アガサ・クリスティーって左右の全体主義になんか拘り持ってたのかな。「秘密機関」「NかMか」「親指のうずき」と前三作では、必ず二人のうちどちらかが、背後から脳天を鈍器で殴られ失神させられ、いくらなんでも障害残るだろと余計な心配したが、ここでは銃弾がかすっただけ(?)ですんで良かった。 ※矍鑠たる老大佐が七十過ぎの老人に向かって「なあ、マイボーイ」てのに大うけ。 |
No.2 | 3点 | クリスティ再読 | |
(2015/04/15 23:43登録) クリスティ本人は結構愛着があるようだけど、トミー&タペンスってこうしてみると(このサイトでも)不人気だなぁ。 まあ、スパイスリラー作家としてはどう見ても、クリスティは旧弊な作家でしかないんだけど、この作品はどうも最後まで焦点がちゃんと絞りきれずに何となく終わっちゃう...という「らしからぬ」駄作。過去に「何があったか(ワットダニット)」をベースに進む、最晩年らしいネタなんだが、どうもイメージが曖昧で真相もピリっとしない。 けどよく考えれば、スパイ小説って実は「真相がはっきりしないままで終わってもオッケー」なジャンルなんだよね。真相がはっきりしないことで、圧倒的な徒労感とか不条理感とかを読者が食らうんだったら、それはそれで傑作になるかもしれない(「ベルリンの葬送」とか「インターコムの陰謀」とか)。まあそんなことクリスティに要求するのがムリというものの、ね。 実は評者が面食らったのは、この作品なぜかヴァーグナーに関する言及が多いこと。あれクリスティ晩年にワグネリアンになったのかしら?(失礼、そういえば「フランクフルトへの乗客」が妙なヴァーグナー中毒をしているね。あと「クィン氏」でもイゾルデがどうこう言ってる箇所がある..まあ、トーゼンのキョーヨーの世代だ) |
No.1 | 5点 | seiryuu | |
(2010/11/07 14:32登録) トミー&タペンスシリーズ最終話。 70代になっているので昔のように冒険とはいかないものの 好奇心はまだまだ健在な様子が描かれています。 ミステリー度は低めだと思います。 |