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ミステリの祭典

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蜘蛛の牢より落つるもの

作家 原浩
出版日2023年09月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 7点 文生
(2025/04/10 20:05登録)
関係者の口から語られる21年前の集団生き埋め事件が訳がわからなすぎてとにかく怖い。その事件を調べているうちに起こる現代の事件もかなりの不気味さです。このまま怪異ホラーとして突っ走っても十分に面白そうですが、最後は伏線を回収してミステリーとして着地します。これだけの怪現象を論理的に説明したのはなかなかに見事です。ホラーミステリーとして十分レベルの高い作品だといえます。ただ、謎解き自体にホラー描写ほどのインパクトはなく、前半と比べてパワーダウンの印象も。

No.1 5点 ぷちレコード
(2025/04/09 21:54登録)
渇水によってダム湖の底から姿を現わそうとしている村のキャンプ場では、かつて互いを埋め合って死に至らしめた不可解な集団生き埋め事件が発生した。事件関係者や旧村民たちは渇水と、あの時と同じ蜘蛛の大発生に、村に祀られていた比丘尼の祟り再びと恐れおののく。そんな中、奇妙な黒い影が出現し、新たな異常死が。
村人に惨殺された比丘尼の怨霊譚と、不条理な生き埋め殺人の謎を生理・心理的ディテールで忌まわしく肉付けしながら、人間が怪異を生み出すというテーゼで結びつけている。

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