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ミステリの祭典

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からくり人形は五度笑う
一尺屋遥シリーズ

作家 司凍季
出版日1991年09月
平均点4.75点
書評数4人

No.4 6点 たかだい
(2025/08/30 16:39登録)
かつてはからくり人形で栄えながらも今となっては廃村間近の村を舞台に、幾つもの奇怪な事件が折り重なり一つの真実が見えて来る
ある種の怪奇色と不可解な謎を内包した古き良き本格推理小説だと感じた作品
地形を利用した大掛かりでありながら突き詰めればシンプルな殺人トリックが本作の見せ場だと思われますが、個人的にはこう言ったギミック系のトリックは(実現性はともかく)好きなので面白かったです
ストーリーとしても、前半でメインを張る人物が中盤で死体となって発見され、その事件の調査に友人にして探偵の男が村に乗り込むという波乱の展開で、あまり見た事のないパターンでしたのでそちらの面でも楽しませてもらいました

No.3 5点 nukkam
(2010/12/26 13:34登録)
(ネタバレなしです) 島田荘司の「奇想、天を動かす」(1989年)を読んでミステリー作家を目指すようになった女性作家の司凍季(つかさとき)(1958年生まれ)の1991年発表のデビュー作で、一尺屋遥(いっしゃくやはるか)(男性です)シリーズ第1作の本格派推理小説です。印象的な主役交代、魅力的な謎、大スケールのトリックと面白いネタは十分揃っていますが全体的に淡白で、ページを増やしてもいいからもう少し演出に凝ってほしいという気持ちもありますが、演出過剰になってグロテスクな部分が際立つのも苦手なので、これはこれでいいという気もします(いい加減な感想だ)。横溝正史の金田一耕助のような飄々とした人物ながら、憎まれないキャラクターの金田一とは対照的に容疑者たちから嫌われまくる一尺屋が何ともおかしいです。

No.2 5点 makomako
(2008/10/07 22:37登録)
はじめの雰囲気はなかなか良いのだが、トリックがいただけない。このトリックは絶対無理でしょう。あまりに物理的に無理なトリックは瞬間移動したとか分身の術を使った(古いたとえですが)というのと同じように感じてしまう。

No.1 3点 Tetchy
(2008/03/29 14:13登録)
う~ん、一尺屋遙のキャラクターにはなんだかムリを感じる。
どうにか読者に印象付けようと苦心して作られた、そんな感じが拭えない。
あとトリックも大味だなぁ。
文庫で読んだが、文庫の表紙はなんか全然本編と関係ない。
最近新版が出た『占星術殺人事件』の表紙がこれに非常に似ている。

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