その謎を解いてはいけない |
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作家 | 大滝瓶太 |
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出版日 | 2023年06月 |
平均点 | 6.33点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | 名探偵ジャパン | |
(2023/11/09 13:21登録) 本作はですねぇ、興味を持っても、いきなり購入しないほうがいいでしょう。本屋さんで、とりあえず第一話の半分くらいまで立ち読みしてみて、それでもついて行けるかどうかを判断したうえでレジに持っていくか決めるのをおすすめします。相当に癖強めの作品なので、合わない人は絶対に合いません。 表紙イラスト、タイトルからして、恐らく読者にいきなり「奇襲」を仕掛けることを目的とした作品ですので、内容について書くことがありません(笑)。 |
No.2 | 6点 | 虫暮部 | |
(2023/08/26 13:14登録) これは恐ろしい。キャラミス殺しの、しかも大量殺人鬼だ。今後アレもアレもメタ的ギャグとしてしか読めなくなったらどうしてくれる。迂闊に読んではいけないあがら。 表紙イラストが遠田志帆、ってのもわざとだよね。同氏のイラストが飾った某作の中二病的探偵の真実をこっちでは始めからネタとしてバラしちゃってる。そこまでやるか……。 |
No.1 | 7点 | 人並由真 | |
(2023/07/14 16:11登録) (ネタバレなし) 左眼のみ天性の翠色の女子高校生・小鳥遊唯(たかなし ゆい)は、さる経緯から、一年中、全身黒ずくめの26歳の探偵・暗黒院真実(あんこくいん まこと/本名・田中友治)の助手を務めていた。そんな彼らはいくつかの事件に遭遇する。 鳴り物入りの作品なので読んでみた。全5エピソードの連作中編集で、最後の二編が前後篇(これは目次でわかる)。 1986年生まれの作者は現代文学やSF畑で近年話題の新人で、本作は初の単著そしてミステリとのこと。 なるほど、いわゆるこじれた文体を自覚的に綴っている感じの文章は独特のクセがあり、全編にからむキーワードは「厨二病」「黒歴史」とのこと。 この辺の相性からかAmazonでのレビュー、感想などは正に毀誉褒貶だが、謎解きミステリとしては、各編が意識的に投げた変化球がそれぞれそれなり以上に「新本格」になっており、評者個人としては結構楽しく読めた。 (個人的には3話の謎解きの流れと、最終編のなんか、昭和の「宝石」系新人作家ティストなトリックが受けた。) とはいえ、こんなクセの強い一冊だけに、話のネタ・真相、そしてキャラクター描写そのほかで、最後まで読むといろいろ思うことはあったりする。 (ここであと一言、モノを言いたいのだが、広義のネタバレまで警戒して口をつぐむことにしよう。) トータルとしてはフツー以上に面白かった。 それで、だから(以下略)。 |