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ミステリの祭典

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われら闇より天を見る

作家 クリス・ウィタカー
出版日2022年08月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点
(2023/11/18 18:57登録)
久しぶの外国作品、登場人物に馴染むのに時間がかかり中盤までは読むのに苦労しました。
終盤の展開はスピーディーで容疑者も2転3転し一気に読み終わりました。
ミステリーと言うより人間ドラマとして面白かったです。

No.1 6点 人並由真
(2023/03/01 07:55登録)
(ネタバレなし)
 2005年。米国カリフォルニア州の地方の町ケープ・ヘイブン。そこに、30年間服役していた45歳の男性ヴィンセント(ヴィン)・キングが、帰ってくる。ヴィンセントは30年前に、ガールフレンドのスター・ラドリーの当時7歳の妹シシーを死なせてしまい、10年間服役の判決を受けたが、刑務所(矯正施設)内で重罪を起こし、収監期間を長大に延ばされていた。そんなヴィンセントを、今はわずか3名の地方警察署の署長となったかつての友人ウォーカー(ウォーク)が迎え、そしてその帰還をラドリー家の面々が注視するが。

 2020年の英国作品。
 昨年2022年の翻訳ミステリのなかでは確実に話題作の一角だったはずで、SRの会のベスト投票が迫るなか、なんとかギリギリ読んでおこうと二日かけて読了。
 ただ、個人的には、う~ん……。
 日本アニメーション「世界名作劇場」版の『小公女セーラ』みたいで、恣意的に登場人物を逆境に追い込む話の作りが、いまひとつ受け入れにくかった。
 まあ、送り手がほくそ笑んだり、ニヤニヤ笑いながらメインキャラをイジめている雰囲気はないので、その辺に関する限りは良いのだがよいのだが、なんつーか、全体的に、昭和40年代の小学館の学習雑誌の谷ゆき子の漫画みたいで

編集者「まあ先生、これは悲しいお話ですね」
作者「ええ、私も書いていて、自分で涙が出てしまったんです(よよよよよ……)」
 という印象である。

 力作……なんだろうけれど、読むのに相当、エネルギーを使った。
 でもって、トータルとして、そこまでパワー使ったのに見合う充実感かといえば、絶対にそーでもない。

 好きなキャラクターはなあ……後半、主人公の姉弟のために精一杯尽力してくれた、ベテラン中年ケースワーカーのシェリーだなあ。このヒトだけは、本気で泣いた(あ、厳密には、泣かされたのはこの人「だけ」ではなかったか)。

 イヤミや皮肉でなく、読んでズッポリとシンクロされる方がいるというのなら、それは大変、結構なことだと思います。 

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