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ミステリの祭典

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いけないII
『いけない』シリーズ

作家 道尾秀介
出版日2022年09月
平均点5.75点
書評数4人

No.4 6点 ぷちレコード
(2024/10/05 22:24登録)
各編の最後に収められた写真によって、それまで記されてきた物語に潜む、表立って語られなかった部分が浮かび上がる。
写真は一枚であっと言わせるような仕組みではなく、写真と本編の文章とを突き合わせて、読者が読み解いていく必要がある。ただし、次章の中で前章の事件について語られて、隠された部分がある程度示されているため、前作に比べると親切な作りになっている。
難易度は下がった一方、個々の人物や背景の描写は前作以上に掘り下げられて、人間関係の歪みと残酷さ、そして悲しみが心に刺さる。

No.3 6点
(2024/06/17 14:03登録)
前の短編の真相が次の短編で明らかになり最後に明神の滝で祈った人の願いが成就されます。
読後感はあまり良くないですが作品の作りとしては上手いです。

No.2 6点 文生
(2023/02/09 17:17登録)
連作ミステリーの底流をなすホラーテイストな味わいは悪くありません。しかし、各話のラストに用意された1枚の写真が何を意味するのか分かりにくいものが多かったのは残念。個人的には、明確な答えをあえて用意せずに読者に考えさせるタイプのミステリーは嫌いなので、写真を見た瞬間に衝撃的な事実がわかるような工夫がほしかったところです。
とはいえ、写真は謎解き要素の一部にすぎないのでそこがわからなくてもミステリーとして楽しむことは可能ですし、雰囲気的にはなかなか魅力的な作品ではあります。

No.1 5点 まさむね
(2023/02/04 19:13登録)
 連作短編。「その写真を見たとき、物語は一変する」という謳い文句で、各短編終了後に写真が示される構成。直ぐには気付かなくても、その後の短編を読み進めていくうちに、真相に気付けるような配慮はなされています。
 作品の趣旨はよくわかるし、嫌いではないのだけれども、正直、写真を見せられた時の驚きが希薄というか、個人的にはカタルシスが得られなかったです…。私の読み方が悪いのかもしれませんが…。
 好き嫌いの評価は分かれるような気がします。あまりにも理不尽な哀しみを背負う方が多いのも、個人的には辛かった。

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