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ミステリの祭典

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殺しへのライン
ダニエル・ホーソーンシリーズ

作家 アンソニー・ホロヴィッツ
出版日2022年09月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 6点 makomako
(2022/10/29 07:23登録)
 ホーソーンシリーズの3作目です。勿論今回も隠された謎と不可解な事件を取り扱う小説。
 探偵と作者の分身たるホロビッツが島で行われる文芸フェスティバルに参加する。フェスにはそこにいろいろな人が集まり、それぞれのキャラクターや立場などが紹介されていく。事件はなかなか起こらずちょっと退屈。
そうしているうち、にはなもちならない大金持ちの夫婦が殺される。ようやくお話が面白くなります。今回もホーソーンの隠された過去が少し現れます。
 犯人が指摘されこれでよいのかと思っているうちに何となく終了?。ページにまだ残りがある。こんなんじゃないよねと思っているとやはりどんでん返しがあります。
 推理小説としては謎が一部残ったままで終了。ホーソーンの過去も彼が何をしたのかももう一つはっきりしません。
 多分次作へのおたのしみといったところでしょうが、ちょっとすっきりしないな。

No.3 5点 HORNET
(2022/09/19 20:54登録)
 探偵ダニエル・ホーソーンと主人公・作家のアンソニー・ホロヴィッツは、文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。霊能者、歴史家、児童文学作家など、寄せ集めのようなゲストで開催されたフェスだったが、スポンサーであるカジノ経営者の登場で、どことなく不穏な雰囲気が漂いだす。そして、文芸フェスの関係者のひとりが刺殺体で発見される。のどかな島でのイベントのはずが、一転して陰惨な連続殺人の舞台に…!

 事件の捜査を進めていくうちに、フェスの主催者たちと島民たちの間に起きていた軋轢や、関係者たちの過去の関わりが明らかになっていく…という展開は、ミステリとしてはいたってオーソドックスな展開では。さまざまな裏事情が複雑に絡み合っている様が解かれていくのだが、真相はまたちょっとそれとは別で…うーん。よく言えば意外な結末、悪く言えば断絶的飛躍。
 昨今のミステリ事情から、正道のフーダニットという時点でミステリファンに好まれるのかもしれないが、ミステリ的には平均的な出来(面白い)だと思う。

No.2 5点 文生
(2022/09/18 11:33登録)
全体としては十分に楽しめたものの、前半のテンポの悪さが少々気になりました。また、本格ファンの興味を引きそうな謎が「右手だけが縛られていない死体」ぐらいなのでちょっと地味です。それに、そのホワイの謎に対する解答も魅力的とは思えませんでした。
最大の読みどころといえるのが関係者の秘密が次々に暴かれて後半の展開で、一番興味深いのがホーソンの過去についてなのですが、それは次巻以降の持ち越しとなっています。そういうわけで、物語としてはそれなりに楽しめるものの、本格を期待しすぎると肩すかしを喰らう作品だといえます。

それと、本篇の3分の1程度読んでから目次を見返した時になんとなく犯人がわかってしまったのも真相の意外さを薄れさせてしまった原因となってしまった(目次に直接的なヒントが書かれていたわけではないのだけど、この目次ならあいつが犯人だと雰囲気ぴったりだなという流れで予想できてしまった)。したがって、目次はなるべく見ないことをおすすめします。

No.1 6点 nukkam
(2022/09/14 06:41登録)
(ネタバレなしです) 2021年発表のダニエル・ホーソーンシリーズ第3作の本格派推理小説です。殺人犯の正体が明らかになるまでに容疑者たちの様々な秘密が途中で暴かれていくプロットはアガサ・クリスティーの「アクロイド殺害事件」(1926年)やパット・マガーの「目撃者を探せ!」(1949年)を連想しました。椅子に縛り付けられた死体の右手だけが自由な状態だった謎はそれほど感心できる真相ではなかったですね。あと最終章で登場した絵葉書のメッセージが謎のままで終わるのも次作につながるお楽しみ趣向のつもりかもしれませんが蛇足のような気がします。

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