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ミステリの祭典

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猟奇の果
明智小五郎シリーズ

作家 江戸川乱歩
出版日1972年07月
平均点4.00点
書評数3人

No.3 4点 斎藤警部
(2025/05/03 11:13登録)
「ぼくはその口止めをするために、あの人に殺されることにしたのです」

拭いきれぬ疑いは或る人物の胸元へと注がれた。 だが、その人物とは誰だ?

主人公は猟奇に飢える有閑青年(だがナイスガイ)。 彼は或る日、友人の雑誌出版社社長(こちらも良い人)が、祭に賑わう神社にて玄人技のスリを働く現場に出くわす。 友人は覚えが無いと言う。 その後もドッペルゲンガー的事象が立て続けに起こり、有閑青年は愉し怖ろしの不可解猟奇世界にぐいぐいと吸い込まれて行く。 美しい妻をも巻き添えにして。 いつの間にか話は大きく膨らんで行き、その裂け目から光が漏れる様に、●●を揺るがす予想外の兇悪事件が連発する。 

「快楽っていったいなんだとおききなさるのですか。 それはいまにわかります ・・・・・・ 」

うむゥ、前編|後編と分けた構造(後編からアケチコ登場)はなかなか唆るものがあったのだがなあ。
表題からだんだん離れて行くよなストーリーを、最終盤でギュッと表題側に引き寄せる展開にはちょっと感心もしたのだがなあ。

結局、ある意味そのまんま? 壮大な大風呂敷も風に煽られグダグダに??  なんかそんな風。 犯人(●)●●には何気に結構な意外性がありましたが、それを以てして、このバランス崩れた平板さを覆す事は出来ませんでした。 乱歩さん、しっかりやりましょう。

No.2 4点 ボナンザ
(2022/10/18 21:57登録)
前半わくわくさせるが、後半いつものになってしまうあたりが微妙な評価の理由か。

No.1 4点 虫暮部
(2022/08/25 13:26登録)
 “人間改造術” は、今読むと珍しくも恐ろしくもない。作者自ら “夢物語でよいのだ” と語る本作は、“寛政以前に飛行機を製作した岡山の表具師幸吉” そのものであり一種の予言の書?
 しかし、前半は停滞気味、後半は辻褄合わせに終始。物語としての楽しめるポイントはちょっと見当たらないなぁ。
 イチャモン:自分の顔ってそんなに見慣れている? スクリーンに一瞬間だけ映った顔を、自分そっくりだと自覚出来るかなぁ?

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