警察官よ汝を守れ プール警部シリーズ |
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作家 | ヘンリー・ウエイド |
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出版日 | 2001年05月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | pachio | |
(2014/02/28 17:21登録) 殺人罪で20年の服役を終えた男が出所した直後、警察署内で20年前にその男を逮捕した本部長が射殺される。スコットランドヤードから派遣されたプール警部は、容疑者が警察官ばかりという状況の中で、関係者の秘められた過去を洗い出し、真相に迫る。トリッキイな犯罪を、警察官の捜査過程を地道に描いていくという作風は、珍しいのではないか。場面展開が早く退屈はしないが、1934年発表という時代を感じさせられてしまうのは、今の眼で見たこの作者の限界か。黄金時代の本格は全て読んでおかなくては気が済まないというマニア向け。佳作。 |
No.1 | 5点 | nukkam | |
(2009/10/26 11:09登録) (ネタバレなしです) 1934年発表のプール警部シリーズ第3作でウェイドの代表作と評価される作品ですが初めてウェイドを読もうとする読者にはちょっと勧めにくい面もあると思います。警察署内の殺人という、あまりにも派手な序盤がウェイドとしては異色で、中盤以降の地味にこつこつ捜査を進めていく展開(こちらはウェイドらしいです)とのギャップがビギナーにはなじみにくいかもしれません。感情描写を控え目にしてドライに淡々とした筋運びながら終盤にしんみりした場面が用意してあるのも唐突感を覚えます(非常に印象的な締めくくりではありますが)。 |