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ミステリの祭典

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象牙の塔の殺人

作家 アイザック・アシモフ
出版日1988年02月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 ボナンザ
(2015/08/01 11:39登録)
やや説明的なところもあるが、しっかりした構成と展開に引き込まれる名作。

No.3 6点 蟷螂の斧
(2014/11/12 17:07登録)
解説より~『編中にジャック・ドヒーニという刑事が登場する。いつも部下を連れずに一人で来ては、主人公にシツコクからみ、オダテたりしながらいろいろな事実を聞きだす。サエない風貌だが、何を考えているのかよくわからない。そのくせちゃんと真相を掴んでいて、心理トリックを使って真犯人を引っかける。この妙な刑事、やる事といい雰囲気といい、どうも似てやしまいか。あのコロンボ刑事に。・・・(後略)・・・』~同感でした。しかし、あくまでも主役は助教授のブレイドです。そしてコロンボ並みの推理で・・・。SFでない本格物ということで拝読、楽しめました。

No.2 7点 E-BANKER
(2011/11/11 16:51登録)
1958年発表の本格ミステリー。
大学内の複雑な人間関係を背景に発生した殺人事件を、主人公の助教授が解き明かす。

~大学の実験室で、化学の実験中の学生が毒ガスを吸って死亡する。事故死か、或いは自殺か。指導教官のブレイドは、この事件を単なる過失とは考えられず、自ら真相究明に乗り出すことになった。しかし、これが殺人事件だとすると、真っ先に疑われるのは彼自身なのだ! しかも、事件はやがて彼の大学における地位や家庭における平穏までも脅かすことに・・・~

理系ミステリーのはしり的作品か? と思いきや、プロット自体は純粋な海外本格ミステリー。
というのが読後の感想。
前半は、シアン化合物がどうだとか、実験器具がどうだ、とか文系人間の私には頭にスッと入ってこない単語が続々登場。
中盤以降は、主人公を中心とする大学内の複雑な師弟関係や上下関係が明らかになり、終盤は一気呵成に真犯人を指摘!
巻末解説でも触れてますが、確かに本作の「動機」は独特。
一般の人にはちょっと理解できない。(でも、ありうる気にはさせられる・・・それがアシモフのうまいところ)
伏線もうまい具合に撒かれ、意外な真犯人像のリアリティを補完してます。
他作品でも目にしますけど、大学内って、普通の会社以上に人間関係が難しいんだねぇ・・・
(頭のいい人ほど、妬みや上昇志向が強いってことでしょう)

50年以上も前とは思えないほど、出来のいい本格ミステリーなのは間違いのないところ。
分量も手頃ですし、もうちょっと評判になってもいいんではないかな?

No.1 6点 nukkam
(2009/01/20 16:14登録)
(ネタバレなしです) 米国のSF作家のアイザック・アシモフ(1920-1992)はミステリー作品では「鋼鉄都市」(1954年)や「はだかの太陽」(1957年)などのSFミステリーが名高いですが、1958年発表の本書はSF要素のない普通の本格派推理小説です。後年に書かれた「黒後家蜘蛛の会」シリーズや「ABAの殺人」(1976年)に比べると文章は生真面目で、ユーモアがほとんどありませんが読みにくくはありません。毒ガスによる殺人という珍しい殺人手段がアシモフならではです。重ねて書きますがSFトリックなどは使われず、合理的な謎解きの本格派推理小説です。

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