ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ扉子と空白の時 ビブリア古書堂の事件手帖シリーズⅡ |
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作家 | 三上延 |
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出版日 | 2020年07月 |
平均点 | 6.50点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 6点 | まさむね | |
(2021/07/04 15:55登録) セカンドシリーズではありますが、栞子さんと大輔君の出番が多めです。ファーストステージと雰囲気が被りがちな一方で、絶妙な時間軸の設定と娘の扉子さんの存在で奥行きは増しているような気がしました。プロローグやエピローグを含めた構成の巧みさもあったかな。今回のテーマは「横溝正史」で、この点も興味深かったですね。 |
No.3 | 6点 | 虫暮部 | |
(2020/12/24 15:38登録) 事件よりも横溝正史談義の方が面白かった。二人が友達になるシーンは泣けるね。横溝ファン小学生断固支持。夫婦が敬語で会話するところもキャラクターが出ていると思う。 しかし、栞子さんも落ち着いちゃったし、“それなりに穏やかな世界”の安定路線が出来上がっているので、良くも悪くも“前作と同じ”である。もっと思い切った悪意を捩じ込んでもいいのでは? それともこのシリーズはもう、ゴールした後ゆったり走るウィニング・ランだと考えるべきか。 |
No.2 | 7点 | HORNET | |
(2020/11/07 19:50登録) 大輔と栞子が結婚し、二人の間に扉子という娘が生まれ、「Ⅱ」として再開した新シリーズ2作目、通算9作目。とはいえ今回は、扉子が両親の「事件手帖」を読み返すという体で、多くは栞子の代の話になっている。 古書を取り巻く人たちの謎を解決していく本シリーズだが、その古書がミステリだとさらに興趣をそそる。今回はまさにそれで、題材は「横溝正史」。以前、乱歩が題材になった巻と同様、ミステリファンにはそれだけで評価が底上げされてしまう(笑) 第1章と第3章が、「大輔と栞子」の過去の事件簿を読む内容で、第2章が現在の扉子を中心とした話なのだが、なんとなく2章が一番、本来のビブリオらしさが出ていたかな。全体的に、現在の女子高生・扉子と親友の圭の様子から始まり、過去にフィードバックする章が挟まれ、最後現在に戻るまで、ストーリーとしてきちんと紡がれている構成が非常にうまいと思う。作者の巧みさ、精緻さを実感する。 ラストの感じでは、扉子がどちらかというと祖母・智恵子に近い資質に描かれている気がして、それが今後の展開で波を起こすのかもな…と思った。 今後も続けて読みたいと思わせるには十分だった。 |
No.1 | 7点 | makomako | |
(2020/09/20 07:57登録) ビブリア古書堂の事件手帖シリーズも扉子が生まれて新しいシリーズとなったとされていますが、このお話には扉子はほとんど関係ないただのスパイス程度の扱いです。 珍しく3つの中編が一つのお話となっており、内容は栞子と結婚した夫が中心で、以前のシリーズと変わりがありません。単に主人公が年を重ねた時のお話です。 今回は私もよく知っている横溝正史にちなんだお話なので、より親密な感じがしました。 話としてよくできており、面白かった。 ビブリア古書堂の事件手帖シリーズが今でも人気があるので、もう一度書いてみましたというより、書き残したテーマがあったのでしっかり書きましたといった感じです。 |