虚空から現れた死 ドン・ディアボロ |
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作家 | クレイトン・ロースン |
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出版日 | 2007年07月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 5点 | ことは | |
(2022/09/25 14:46登録) すごい久しぶりのロースン。 中編2作の本書ですが、2作とも序盤の謎の盛り上げは尋常じゃない。「これ、どう説明つけるの?」と思わされる。 2作目は、序盤だけでなく、終盤まで不可解な事件が続発する。 けど、解決がなぁ。「そんなこと」という感じなんだよなぁ。「謎の演出は見事だが、解決の演出は考えられていない」という感じ。謎の演出に特化しているのは、ロースンが奇術師だからか? だから、読み方としては、アトラクションを楽しむように、次々と起こる事件をおっていくのが吉でしょう。 謎の盛り上げが大きい分、解決にがっかり感を感じて、マイナス評価する人も多そう。私の評価は、謎の盛り上げとがっかり感で、プラスマイナスゼロとしておきます。 そういえば、ロースンの他の小説も、だいだいこんな感じだったなぁ。ただ「帽子から飛び出した死」だけは凄く面白かった印象が残っている。これは再読しようかな。 |
No.3 | 5点 | 虫暮部 | |
(2019/12/05 12:48登録) スラップスティックな筆致で不可能犯罪が描かれるところまではいいが、トリックは物足りない。チーム・ディアボロやチャーチ警視のキャラクターは好き。 主人公の名前“ニック”と“ディアボロ”を意味もなく(だよね?)混用するのはやめて欲しい。 |
No.2 | 6点 | nukkam | |
(2015/01/26 10:12登録) (ネタバレなしです) ロースンはスチュアート・タウン名義で奇術師ドン・ディアボロを探偵役にした本格派推理小説の中編を4作発表していますが、その内「過去からよみがえった死」と「見えない死」の2編を収めた1941年の第一中編集が本書です。パルプ雑誌に発表されたためか派手な筋立てで、前者ではコウモリ男、後者では透明人間の謎が提供されます。とにかくトリックまたトリックのオンパレードで、犯行トリックだけでなくディアボロや彼の仲間たちがチャーチ警視を愚弄するトリックまで入り乱れ、読む方は振り回されます。複雑なプロットと緻密な謎解きなので登場人物リストを作って読むことを勧めます。 |
No.1 | 4点 | kanamori | |
(2010/06/15 18:00登録) 奇術師探偵ディアボロが登場するミステリ中編2本収録。 探偵の職業やデビュー長編に似たタイトルから、グレート・マーリニもののようなガチガチの本格編を期待しました。たしかに2編とも密室殺人を扱っていますが、テイストはバットマンなどの米国漫画を彷彿とさせるヒーローものの通俗ミステリでした。 不可能興味満点の発端に対して解決が腰砕けなぶん落胆は大きかったです。 |