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ミステリの祭典

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殺人者は21番地に住む

作家 S=A・ステーマン
出版日1983年12月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 nukkam
(2016/08/12 10:57登録)
(ネタバレなしです) 詳しくは知らないのですが本格派推理小説があまり受け入れられていないフランスでも1930年代は本格派が流行していたらしいです。ステーマン(厳密にはベルギー人ですが)はピエール・ヴェリーと共に(多分少数派の)本格派を代表する作家ですが、特に1939年発表の本書は2度に渡って「読者への挑戦状」が挿入されていてこの時代ならではの作品だと思います。あまりにも無能な警察の描写には不自然ささえ感じますし、動機が十分に説明されていないなど謎解きについて不満点も多いですが、(某書評サイトでも誉めていましたが)たった1つの文章(発言)で謎のほとんどがクリアになる切れ味は効果的だと思います。

No.3 6点 斎藤警部
(2016/05/27 17:46登録)
企画の輪郭がくっきりした、クリスティを思わせる古典ですね。詰めは甘いですね。大胆な犯人設定ですね。ヒネリがありますね。ちょっと弱いトコありますね。面白かったですね。  

No.2 6点 kanamori
(2010/06/13 15:49登録)
何らかの秘密を抱えた住民たちを中心に下宿屋(もしくはアパート)を舞台にしたサスペンスというのは、ミステリの一つのジャンルといえるでしょう。本書は、連続殺人鬼は下宿人のうち誰か?を問うシンプルながらサスペンスに溢れた本格編で、読者への挑戦を挿入するという稚気が楽しい。
この意外な真犯人の設定には、フランス語圏の本格ミステリ特有のむちゃがありますが、ひょっとしてこの作品はクリステイのアレを意識しているのではないかとも思います。

No.1 7点
(2008/12/17 22:04登録)
別に謎として提示されているわけではないのですが、最後近くになってやっと、探偵役が誰であるかわかるいう意外性もありました。その探偵役によって犯人の正体が指摘されるシーンはなかなかスリルがあり、劇的な効果をあげています。
大胆な犯人の意外性のアイディアというと、まず叙述トリックを思い浮かべると思いますが、そうではなくて、あくまで犯人の策略によるものであるところも好ましく、「読者への挑戦」が入っているのも納得の謎解きミステリです。

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