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ミステリの祭典

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誰そ彼の殺人

作家 小松亜由美
出版日2019年05月
平均点4.00点
書評数3人

No.3 4点 虫暮部
(2021/12/25 10:52登録)
 法医学的事案としてはそれぞれ興味深いネタなのに、物語としての書き方がぎこちない。ユーモアを意図しているようなところも効いていない。

No.2 4点 名探偵ジャパン
(2020/01/20 11:04登録)
私も、HORNETさんとほぼ同じ感想を持ちました。
専門用語の羅列は「あ、これ本筋と関係ないんだ」と分かったら、もう読み飛ばしです。主人公はこれ、かなり火村英生入ってますね(笑)
帯の裏に、その火村の生みの親、有栖川有栖を始め作家、評論家数名の激賞推薦文が載っていましたが、「そこまでかな?」とは思います。こういう推薦文は、あまりに持ち上げすぎると読む前の期待値が上がりすぎて、結果落差が大きくなってがっかりすることが多いのですが、その最たる例でしたね。内容的には今どき珍しい、そつのないミステリでしたので、あれがなければもっと高得点を付けていたかもしれません。
最近になって分かったのですが、ああいう推薦文って読者のためじゃなくて、作家のためのもの(本の箔付けと推薦文の原稿料)なのですね。

No.1 4点 HORNET
(2020/01/14 18:52登録)
 国立大学医学部法医学教室の准教授と解剖技官が、死体の解剖から事件の真相に迫るという短編集。
 現在も現役解剖技官である著者が、本格ミステリに傾倒して書き始め、本作が単行本デビュー作とのこと。

 解剖室が舞台となったミステリ作品はこれまでにもいくつも先例があるので、目新しさはない。それよりも、本筋に関係のない解剖過程の描写が非常に多く、それをなくせばもっと短い話になっていると思う。謎の解明に関わる部分ならまだしも、ただ解剖の手順を専門用語を羅列して一から描写しているのは正直煩わしさを感じた。
 開陳される真相もそれほど目を見張るようなものでもなく、共通して登場してくる准教授と女性解剖技官と刑事のキャラクターも何かどっかで見たような感じのもので、私としては特に印象に残る作品ではなかった。

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