千年図書館 改題『さかさま少女のためのピアノソナタ』 |
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作家 | 北山猛邦 |
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出版日 | 2019年01月 |
平均点 | 5.50点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 5点 | 人並由真 | |
(2019/07/26 04:44登録) (ネタバレなし) んーまあ、あんまり栄養価はないけれど、色んな味が楽しめるお菓子の詰め合わせみたいな一冊で悪くはない。 どこかで見たようなオチが多いのはナンだが、一方でそんな斬新なものがそんなに頻繁に出てくるわけもないことを、こっちも何とはなしに予見していたのであろうし。 小説としてのまとまりの良さでは、巻頭の「見返り谷」がベスト。 あと最後の「ピアノソナタ」はオチの嵌り方がロジカルではない、というみなさまの不満はよーく分かるのですが(個人的にもその指摘そのものにはまったく異論はない)、ただし主人公が最後まで諦めないで、なんか思いつくばかりのことをとにかくやってみたら(中略)なった、という感覚が、すごくスキではある。青春ジュブナイルの作法と考えれば、これで正解であろう。 |
No.3 | 5点 | 虫暮部 | |
(2019/03/28 12:54登録) “全てはラストで覆る”と予告されると意識的にも無意識的にもそういう読み方をしてしまうから、どんでん返しはもはやどんでん返しではなくなってしまうのである。ラストへ読み急がせるその手の謳い文句はそもそも如何なものかと思うのだが、のみならず本書に収録された作品群が必ずしもそのように結末に向けて収斂して行くタイプのものだとは思えない。表題作や「終末硝子」の世界設定、「今夜の月はしましま模様?」のキャラクター等、非常に魅力的で、読み終えたくない、少しでも長くその場に留まりたいと願ってしまった。かねがね各出版社にはそうやって結末を強調するような売り方は控えるよう要請しているのだが……。 最後の話のラスト、いまひとつ筋が通っていないと私も思います。 |
No.2 | 6点 | まさむね | |
(2019/02/17 22:35登録) 5篇で構成される短編集で、雰囲気は「私たちが正座を盗んだ理由」に似ています。 マイベストは一話目の「見返り谷から呼ぶ声」。いやはや、最後にやられました。根幹は、よく見かける「アレ」であって新味はないのでしょうが、見せ方が巧く、綺麗。恥かしながら(?)完全に嵌ってました。 一方で、表題作「千年図書館」は、前半で肝に気付いてしまったことから、その後は「正解の確認」を目的とした読書になっちゃいましたねぇ。そして最後に「蘇部健一かよ!」と突っ込む自分がいましたね。いや、テーマとしてはズシリと響く、重いものであることは間違いないのですが。 |
No.1 | 6点 | ことは | |
(2019/02/05 19:15登録) 「私たちが星座を盗んだ理由」と同一タッチの短編集という帯。 それはその通りでしたが、「私たち……」よりはインパクトが薄いです。 でも全体的に良質な話でした。 【お願い】最後の話、ラストにああなった理由がわかりませんでした。誰か教えてください。 |