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ミステリの祭典

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無事に返してほしければ

作家 白河三兎
出版日2018年10月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 6点 名探偵ジャパン
(2020/03/02 14:06登録)
この著者の作品は初めて読みました。
どうやら、青春ミステリ系を得意としている作家のようで、本作を読んでいて、どうもこなれないな、と感じたのはそういったところによるものかもしれません。
やりたいことはよく分かるし、「読者を驚かせよう」という気概も伝わってきて、実際それは十分驚きに値するものなのですが、書き方がやはり、こなれていない感じです。読者にトリックを見破られるのを過度に恐れているのか、ぼかしすぎなところもあったり。
同じプロットを別の、こういうものを書き慣れている作家(折原一とか、などと名前を出すとネタバレっぽくなってしまいますが 笑)が書けば、もっと完成度の高いものに仕上がったと思います。難しいですね。

No.3 4点 VOLKS
(2019/03/22 11:51登録)
誰のものでもない、これが白河三兎の語り口なんだろうな、という気がして、そういった意味では読み甲斐があった。
が、繋がらない…
モヤモヤしたままの読後感…
スッキリと繋がらない(解決しない)のならば、第一章、二章… としなくて良かったのではないか、と。
でも、文章の作りは好みだったので、他の作品を読んでみたいと感じた。

No.2 8点 虫暮部
(2018/12/25 10:29登録)
 一章読み進むごとに“うわー凄いなー”と呟いている私がいた。いつまでも青春じゃいられない。白河三兎は順当に表現のフィールドを広げている。少々いびつな構成に見えるのは内容からして必然なのだろう。
 ただ、最後の最後、もっときっちり書き切って欲しかった。説明し過ぎは粋じゃない、かもしれないが、ヘヴィな場面から逃げた、とも思えてしまう。

No.1 4点 人並由真
(2018/11/29 12:33登録)
(ネタバレなし)
 レストランのオーナーシェフである日野拓真は、二年前に巻き込まれた水難事故で当時6歳の息子・啓太を失った。啓太の死体は見つからず、拓真の妻、令子は平常心を失いながら今も息子の生存を信じていた。そんな中、何者かから、現在の啓太を預かっていると、身代金要求の電話がかかってくる。
 
 いくつかの仕掛けを設けた誘拐もの。評者は白河作品は2014年の『総理大臣暗殺クラブ』以降はリアルタイムで読んでいて、その中には同作『総理大臣~』や『小人の巣』『ふたえ』『他に好きな人がいるから』などの傑作・秀作も多かった。いま名前を挙げた作品はどれも大好き&好印象である。
 そんなこれまで読んできた諸作は、切なさときわどさの向こうに独特の情感が潜む青春ミステリ(&ヒューマンドラマ)が基調で、今回はそれとはちょっと違う感じだった(本作でもそれらの先行作群に通じる部分はあるのだが)。
 だけれど、う~ん……。

 作品全体のある種の構造を含めて、複数の工夫を盛り込んであるのはよくわかるのだが、全般的にこなれの悪さが気になる出来である。第二章の(中略)を誘導するメイントリックは警察の鑑識レベルなら不審をもたれるのでは? という印象だし、第四章のギミックも最初から違和感バリバリでネタが見え見えでしょう。森田拳次の『丸出だめ夫』みたいな地口ギャグの世界か。
 特に「これはちょっと……」と思ったのは、読者をひっかけるために作者が悪い意味で神の視点に立っちゃった叙述で、結局、第四章の……(後略)。
 最終部分のクロージングも、こうしたかったんだろうなあ、という狙いは理解できるつもりだけれど……すまん、今回はいろいろと気になる部分がありすぎて、もうひとつ心に響いてこない。
 また次回作に期待します。

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