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ミステリの祭典

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日曜の午後はミステリ作家とお茶を
ミステリ作家シャンクス

作家 ロバート・ロプレスティ
出版日2018年05月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 5点 八二一
(2021/11/30 20:19登録)
軽妙洒脱ここに極まれり、という表現がぴったりな短編集。

No.3 5点 バード
(2020/05/14 03:00登録)
殺人や強盗といった重めの犯罪もあるものの、これぞcozy mysteryといった雰囲気。それこそタイトルに習い休日にお茶でもいれながらなんてのが理想の読み方かも。

主人公のシャンクスは中々にひねくれ者で毒の強い皮肉を飛ばす場面も多々あるが、その毒を引きずらずカラッとしたお話に仕上がっている。この辛辣だがドライな空気は海外作家ならではの良さと感じた。

本サイトには彼の本がもう一冊(『休日はコーヒーショップで謎解きを』)登録されているので、どこかで見かけたらそちらも読んでみようかな。本作はミステリ的なパンチ力が弱いと感じたので次はそこのところが強化されてることを期待します。



<気に入ったシーンやら展開やらその他色々>

・『シャンクス、昼食につきあう』のシチュエーション。著者のコメント通り、独特で面白かった。

・『シャンクスはバーにいる』で昼飯の決定権がニックのゴルフ成績に委ねられてしまったこと。シャンクスの思考パターンが妻に完全に読まれているのが笑えた。

・『シャンクス、物色してまわる』でシャンクスがデレス警官に入れ知恵した理由。
「ちょっとしたお詫びのしるしだよ」
「辞書で確認したんだ。”プラウル”は他動詞として使われることもある。」
まさに作家らしい理由でくすっとした。

・『シャンクス、殺される』のロジカルなホワイダニット。本短編集の中でミステリ的に一番感心した。

・『シャンクスの記憶』でロニーが通報した後の
「ああ、もし僕たちがまちがっていたらどうしよう?」というセリフに対するシャンクスの心の中のコメント。
「いきなり僕たちになるわけか、」

・『シャンクス、スピーチをする』
スピーチで心にもない事を言わなければならない事をぼやくシャンクスに対するコーラの
「問題ないでしょ、シャンクス」
「つくり話を書くことがあなたの仕事なんだから」
というセリフ。

・『シャンクス、タクシーに乗る』での
「いやちょっと待った」離婚訴訟のなかでーあるいは、もっと悪いことが起こってー自分の名前が出るなど、シャンクスは絶対にごめんだった。
という一瞬の思考。ずっと酔っ払いのダル絡み対応だったのに、
自分に影響が出ると判断するや否や急にシャキッとすな(笑)。

・手短にまとまった小噺として、『シャンクスは電話を切らない』全体。

No.2 6点 YMY
(2018/08/24 20:07登録)
小粒ながらも個性の光る短編集。
ミステリ作家の日々の暮らしと、彼が遭遇した事件を描く。「日常の謎」的な出来事から殺人事件まで多彩な謎を描きつつ、作家の日常に寄り添った物語のトーンは一貫して、安定した印象を残す。
何かの合間に気軽に読める、心地良さを感じさせる作品。

No.1 6点 nukkam
(2018/08/10 22:59登録)
(ネタバレなしです) 米国のロバート・ロプレスティは1970年代後半から活躍していますが短編を得意とし、初の長編作品はようやく2005年に発表されています。2014年発表の本書はミステリ作家のシャンクスをシリーズ主人公にした短編集で、米国版は13編を収めていますが2018年に国内で翻訳出版された創元推理文庫版は2016年発表の「シャンクス、悪党になる」を追加して14編を読むことができます。各作品の後に作者あとがきが付いているのがアイザック・アシモフの黒後家蜘蛛の会シリーズを連想させます。ユーモアとウイットに溢れているところも共通しています。「シャンクス、殺される」や「シャンクスの牝馬」や「シャンクス、スピーチをする」などは読み応えたっぷりの本格派推理小説ですが、謎解き要素の薄い作品もあります。コン・ゲーム(騙し合い)的な作品や推理というより記憶力や勘で解決しているような作品もあって思っていたより多彩な内容でした。謎解きが終わった後にもう少し話の続きがあるのも特徴です(蛇足に感じるかもしれませんが)。

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