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ミステリの祭典

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fの魔弾
南美希風シリーズ

作家 柄刀一
出版日2004年11月
平均点6.25点
書評数4人

No.4 7点 青い車
(2016/11/23 18:41登録)
 あまり肌に合わなかった『ゴーレムの檻』を先に読んでいたせいで、柄刀一作品は若干敬遠していたのですが、これは素直に楽しめました。てっきり突然異世界にトリップするような話ばかり書いているのかと思い込んでいました。
 提示される事件は今の感覚で見ても十分求心力がありますし、あの海外の傑作に類似したヴァリエーションの犯行方法も、細部を疎かにせず、上手にアレンジしています。そして犯人を逮捕した後、さらに奥にある真相を解明するくだりも感動的でした。爽やかな読後感も手伝ってかなりお気に入りの部類に入ります。

No.3 6点 nukkam
(2015/12/06 02:23登録)
(ネタバレなしです) 2004年発表の南美希風シリーズ第2作の本格派推理小説です。タイムリミットによるサスペンスを狙っていますが、多くのタイムリミット作品が死刑執行をデッドラインにしているのに対して本書は求刑(判決が下るまで)をデッドラインにしているのが珍しいです(サスペンス効果という点では死刑執行パターンより劣ると思いますが)。某国内作家の作品に似た前例のある密室トリックが使われていますがトリックを成功させるための細かい工夫が印象的でした。美希風がトリックの詳細を一般には知らせない方がいいと発言していたので「火の神の熱い夏」(2004年)のように曖昧な説明で終わってしまうのではと心配しましたが、幸いそれは杞憂に終わりました。

No.2 7点 ロマン
(2015/10/25 11:40登録)
現在パートと過去の捜査パートが交互に展開されストーリーが進んでいく。現在パートは探偵役の危機と、そこでの悪戦苦闘に緊張感がありとても引き込まれたが、捜査パートは性質上仕方ないとはいえ少々退屈に感じてしまった。 しかし、いざ解決篇に突入すると今までに提示されたものが見事に収束していき、特に序盤で描写されたある事柄が掛かってくる部分は、自分には絶対に出てこないような発想だったため、ちょっと感動。細部にもこだわり、とても丁寧に作られた誠実なミステリという印象の良い作品。

No.1 5点 蟷螂の斧
(2012/09/24 14:18登録)
カーの古典的傑作(密室)の現代版のような印象です。法廷ミステリー部分(求刑○日前という形で進行)と現在(探偵役が被告と同じような立場になり、危機を迎える)が交互に語られます。探偵役が閉じ込められた部屋から外に脱出できない状況(犯人が外にいる)になり、密室のトリックを解いてゆく場面はスリルがあります。文章がやや読みにくいことと、被告が隠している謎がそれほど驚くようなことではなかったので、この採点となりました。

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