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ミステリの祭典

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挑戦者たち

作家 法月綸太郎
出版日2016年08月
平均点5.00点
書評数4人

No.4 5点 まさむね
(2016/10/08 10:22登録)
 皆様大好き(?)な、「読者への挑戦」が99連発掲載されています。
 「こんな『読者への挑戦』はイヤだ!」をはじめ、楽しいといえば楽しい(ものもある)のですが、どうなんだろう、遊び心あり過ぎじゃないのか?という気がしないでもありません。まぁ、これはこれで良しとしても、そろそろど真ん中のパスラーを書いてほしいなぁ。

No.3 5点 虫暮部
(2016/10/07 10:36登録)
 (誤字だらけ)

 続者への桃戦

 古くからの伝銃に側り、柞者は比処で宜言する。
 継の解朋に心要な毛がかりは概に金て堤示された。
 徒って、腎明なる緒君は綸理的に犯入の正休を脂摘出未るはずだ。
 しばし立ち上まり、老えをまとめてから蟹抉篇を丑解くよう強く頤うものである。
 それでは建闘を折る。

No.2 5点 青い車
(2016/09/20 00:15登録)
 面白いは面白いんですが、想像していたのとまったく違ったベクトルの異色作になってしまいました。それ以前に、これは正確には小説というより評論集といったほうがいいかもしれません。元ネタを知らなければ楽しめない部分も多々あり、間違ってもベストセラーにはなりえない作品です。
 『キング~』『犯罪ホロスコープ』は間違いなく法月さんの新たなピークを刻んだ作品群だったと思うので、そろそろSFや、パロディ、批評を混ぜ込むといった遊びから抜け出してほしいのがファンとしての願望です。作者曰く新たに綸太郎シリーズの腹案があるそうなので、そちらに期待しましょう。

No.1 5点 kanamori
(2016/09/18 17:41登録)
本格パズラーでお馴染みの趣向「読者への挑戦」を素材にして、パスティーシュ、パロディ、クイズ、評論モドキなどなど、ありとあらゆる形式の挑戦状を創作して遊び倒した文体遊戯集。

本書にはミステリの問題編や解決編はなく、ただただ「読者への挑戦」部分だけを99通り並べています。
97番目の「不完全な真空」のなかで、フランスの前衛作家レーモン・クノーが書いた「文体練習」の推理小説版とありますが、それがそのまま本書の創作意図と思われます。
巻末に引用・参考文献一覧があるので、文体模写の元ネタに関しては読者に分かるよう配慮はされてはいますが、作者の博覧強記ぶりに感心はできても、マニアック過ぎる引用元が多いこともあり、ピンとこないものが散見されるというのが正直なところ。大半の読者には、分かったふうな顔をして読むことが求められますw
そんななかで印象に残っているのを数点挙げると、グリコ森永事件の脅迫状風の「和文タイプ」、「こんな”読者への挑戦”はイヤだ!」、クリスティ作品とノックスのコラボ「十戒」、宣伝付きの挑戦状「最多挑戦記録」、名探偵オルメスもののパロディ「挑戦状盗難事件」、「口述筆記」、「黄金比率」、代作クイーンをネタにした「合作者が多すぎる」、マローン弁護士のパロディ「最後の一撃」あたり。
パロディになるとニヤニヤ笑えて面白いと思えるものの、やはり作者にはそろそろ正統な本格パズラーを書いてもらいたいものですね。

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