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ミステリの祭典

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クララ殺し
〈メルヘン殺し〉シリーズ

作家 小林泰三
出版日2016年06月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 6点 ミステリ初心者
(2021/04/20 18:54登録)
ネタバレをしています。また、前作アリス殺しのネタバレもしています。

 前作の世界観を踏襲した続編(?)ですが、共通の登場人物は井森/ビルのみであり、前作を読んでいることは必須ではありません。しかし、前作を読んていたほうが、基本的なルールが頭に入りやすいので、やはり読んだほうがいいと思います。

 非常に読みやすいです。ファンタジー要素はもちろんのこと、文の相性が私をよかったのか、誰がどこで何について発言しているのかというのが理解しやすいです。
 また、前作にあったようなグロ表現も少なくなっており、苦手な人にとっては読みやすいと思います。私は不思議の国の狂った世界が好きですが、グロは得意ではありません(笑)。

 以下、難癖部分。
 推理小説的要素である、誰が犯人なのか?という謎と、それに対するヒントや伏線は、アリス殺しのほうが洗練されていた印象があります。また、前作を読んでいると、マリー=くららであることと、オリンピアがクララであることは(頭パープリンの私でさえ)予想できてしまうと思います。その他のことは予想できませんでしたが、うそつきや協力者が多すぎるため、真相の完全な推理は難しいかと思います。個人的には前作よりパワーダウンしたしまったように感じました。

No.3 5点 八二一
(2020/12/08 13:53登録)
不思議な国と地球、ホフマン宇宙という三つの世界のリンクやそのカギとなるアーヴェタールの設定が秀逸。

No.2 6点 HORNET
(2016/08/27 13:38登録)
 前回に引き続くパラレル・ワールドの設定で、地球と同時進行の別世界とを行き来する構成も前回と変わらず。カタカナ名の登場人物が多く出てきて、地球の世界との重なりを考えながら読まなければならないややこしさはあるが、蜥蜴のビルをはじめとしてそれぞれのキャラが立っていて、ユーモアも十分にあり、楽しんで読める。
 今回はポイントが「誰が誰なのか?」だけにとどまらず、新たな要素も入ってきているので、その点では二番煎じ止まりにはなっていないとは感じたが、そのことによって複雑さもやや増した感じもあった。
 最後の推理と真相には、それなりに満足した。

No.1 5点 虫暮部
(2016/07/26 18:24登録)
 悪くはないが、二匹目のドジョウを狙ったという感がなくもないし、そうまでするほどの物凄いストーリーかは疑問。世界設定のせいで論理が錯綜し過ぎて、驚くべきポイントで的確に驚けないきらいがある。蜥蜴のビルのキャラクターは好き。

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