鵺の鳴く夜が明けるまで |
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作家 | door |
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出版日 | 2016年01月 |
平均点 | 6.50点 |
書評数 | 4人 |
No.4 | 6点 | じきる | |
(2021/12/07 16:46登録) ライトノベルの皮を被ったガチガチの本格。 〇〇トリックを成立させるために、伏線の細やかな配慮が徹底されていて好印象。 |
No.3 | 7点 | 名探偵ジャパン | |
(2019/04/18 22:41登録) これは思わぬ掘り出し物でした。 まず、本格ミステリというジャンルが徹底して無視されているウェブ小説界隈で、これを見つけて書籍化に持って行った編集者に敬意を表します。 惜しむらくは、COMiCOブックス? という超ドマイナーなレーベルで発売されてしまったことです。大元は双葉社らしいですが、このレーベルを置いている書店を私は見たことがありません。(本書も、このサイトのレビューを読んで読みたくなり、近くの書店に注文して、問屋に在庫が一冊だけ残っていたものを取り寄せてもらって入手しました) 読んでみて、作者はかなりのミステリマニアと睨みましたが、ミステリ初見の読者への配慮をしすぎた感があり、作中で扱われるミステリ要素と登場キャラクターの造形や文体がミスマッチを引き起こしているように思えます。もっと、ガチガチのミステリファン御用達のレーベルで出せて、それなりの文体で書かれていたら、歴史は変わっていたかもしれません。 作者が本作を書いた時点で現役の大学生だったというのも頼もしいです。若干、トリックに対して「イキってる」感がありますが、若いので許されるでしょう(笑) こういうものをKADOKAWAなどの超メジャーレーベルで出して、推してもらえれば、本邦ミステリ界の未来は一層明るくなると思うのですが。 |
No.2 | 7点 | 人並由真 | |
(2018/11/24 10:23登録) (ネタバレなし) 本サイトでのお二方のレビューを読んで手に取ったが、いや、とても面白かった。ラノベ仕様の読みやすさが作品の風格を損ねている面もあるが、中味そのものは直球の技巧派・謎解き・フーダニットパズラーである。 真相を知ってからいくつかの気になる箇所を見返したが、なるほど……巧妙にそのへんは(中略)。これ以上は書きません。 感じ入ったのは、あの林泰広の『見えない精霊』をも思わせる、作品全体を築き上げた工芸・結晶的なミステリ愛。これって都筑道夫が『黄色い部屋はいかに改装されたか』で述べた、「(中略)は先例があるものでも、手のかけ方をみてくれ」というモダーンディテクティブ論の実践だろう。 まあ、某十戒とかを作中で話題にする、というかこだわるあたりの感覚の古さ(これは解決には関係ない)はナンだけど、もしかすると本当はもっと作者はあれこれミステリマニア的な蘊蓄を盛り込みたかったところ、あえて読者目線の意識でセーブして、その辺がすべってしまった感じもしないでもない。 主人公のヒロインが<推理小説の初版本>という記号的な言葉に喜ぶのもオタクの描写としてヘンだよねえ。(たとえばこれが『獄門島』の初版とか『刺青殺人事件』の初版とか、英米の『緋色の研究』の揃いとか、具体的な作品の元版・初版をあげるのならまだわかるのだが。) いずれにしろ、こんな力作を書いて世の中の反応が薄い(本サイトで先にレビューされたお二人はさすがである)んじゃ、作者ももう二冊目はなかなか書かないだろうなあ。こっちの勝手な予想が裏切られてくれればいいけど。 ※2019年4月21日追記:自分が最初にレビューを書いた時点ではメルカトルさんの他に確かだれかもうひとりレビューを投稿されてた人がいたんだけど、その後、何らかの事由で削除されてしまったようです。今後本作のレビューを続けて読まれた人がいたとして、このレビューの文章の記述に違和感が生じるかも? と思われるのでその旨、補足しておきます。 |
No.1 | 6点 | メルカトル | |
(2016/01/27 19:55登録) ライトな文体に載って次々に登場する女子高生たち。そこにテンポよく殺人事件が絡み、さらには一風変わった名探偵が現れる。イラスト入りなのでイメージも湧きやすく、登場人物の色分けもしっかり頭の中で整理できる。 しかし、それでいて芯は本格ミステリの精神に貫かれており、軽いだけではないところを見せつける。今時珍しいオーソドックスなタイプの推理小説だと思う。表紙の柔らかな印象で先入観を抱いていると、意外なほどの正統さに戸惑いを覚えるかもしれない。 メイントリックに関しては、確かに解決編に示されているように数々の伏線がきっちり回収されている。特にあるシーンでは大いに違和感を覚えた。だが、過去の例に漏れず、いかんせんアンフェアぎりぎりといった感は否めず、真犯人を指摘されてもなるほどとしか言いようがなかった。 なお、事件の後日談が本編終了後に添付されていたり、二度のあとがきが書かれていたりと、まさに至れり尽くせりの一冊ではある。 2019年5月22日追記 上で人並由真さんが書かれていますが、私の前にBLOWさんが書評されていました。しかし、3月くらいだと思いますが、ご自身のレビューを全部削除し本サイトを去られました。また復活していただきたいですが、全削除となると余程の覚悟を持ってのことと思われますので、難しいかもしれません。一体何があったのでしょうか、全く想像もつきません。ただ今は待つしかありません。 |