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馨子さん
平均点: 6.85点 書評数: 60件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.5 10点 姑獲鳥の夏- 京極夏彦 2004/02/14 01:14
この作品の魅力を上手く言葉にできないのがもどかしいです。

トリックが納得いかないという人の気持ちも分かる。
キャラクターは魅力的だけど、この時点では「キャラクター小説」の要素は薄い。
ストーリーだけを抜き出すと全然好みじゃない。むしろ女としては不快。
それでも私がこの作品に惹かれたのは、京極夏彦という人の、世界の捕らえ方がものすごく新鮮で、読んでいると現実の世界の見え方までも変わってしまいそうな感覚に陥ったから。
その作者の「世界の捉え方」というのは「妖怪」と密接に関係しているので、妖怪の部分を削ってしまったら魅力半減です。
(他の京極作品では薀蓄が多すぎるように感じたことはあったけど)
なので無理やりジャンル分けするなら、ミステリとかオカルトとかというより「妖怪小説」でしょう。

他にも「薀蓄たくさん」とか「博覧強記の探偵」とか「妖怪」とかが出てくる小説を読みましたが、これほど感動も感心もしたことはありません。それは京極堂の言葉が、”小説書くために資料読みました”という付け焼刃的な薀蓄ではなく、作者の血肉となっている知識からのものだからだと思います。

デビュー作であるこの作品には、京極氏の「世界の捉え方」が一番ストレートに表れている気がします。

ハマる人とそうでない人がいるのは当然の作品だと思いますが、長すぎるという意見があるのは残念です。
本筋だけではなく、妖怪の部分があってこそこの作品は魅力的なのです。
欠点もあるかもしれませんが、10点以外考えられません。

No.4 8点 陰摩羅鬼の瑕- 京極夏彦 2003/08/17 01:06
やはり「塗仏」は「第一部・完」だったようで、この作品は「ウブメ」と対になっています。筋立てはごくシンプル。ミステリとしては、ラストに賛否両論ありそうなのもウブメと一緒だなぁと思った。
伯爵という人物がよく描けていて、だからこそ胸に迫る結末になっているので、無駄な部分はないと思います。
関口が活躍(?)しているのもよかった。ちょっとは元気になってそうだったし。
憑き物落としのカタルシスはイマイチだったかな〜。

No.3 7点 ルー=ガルー 忌避すべき狼- 京極夏彦 2001/07/12 21:16
これはジュヴナイルなのでしょう。それもアニメージュ読者を意識した。
そう思えば、蘊蓄や理屈が少ないのも納得。14歳の少女が強すぎるのもね(笑)

No.2 7点 百器徒然袋 雨- 京極夏彦 2001/05/22 10:15
ドタバタ喜劇っぽい印象。なんか、まんがの「有閑倶楽部」を思い出した。榎さん好きだけど、主役じゃなくていいや。長すぎても長編の方が楽しい。

No.1 7点 塗仏の宴- 京極夏彦 2001/05/10 18:57
「支度」のラストは「えーっ!?」と声をあげるくらい驚いた。長さの良い悪いは別として、とにかく「始末」が出るのが待ち遠しかった。登場人物は多すぎ。

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馨子さん
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採点傾向
平均点: 6.85点   採点数: 60件
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