皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
sophiaさん |
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平均点: 6.94点 | 書評数: 370件 |
No.13 | 6点 | どんどん橋、落ちた- 綾辻行人 | 2017/06/27 18:39 |
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綾辻行人の稚気による自虐炸裂の短編集。館シリーズなど、氏の他の作品を読まずにいきなりこれを読んだ人は全く楽しめないのではないでしょうか。これはちょっと他の作品と同じ尺度では評価できませんので、点数は本来「採点不能」にしたいところですが・・・
「どんどん橋、落ちた」「ぼうぼう森、燃えた」「フェラーリは見ていた」とぶっ飛ばして来たのに、「伊園家の崩壊」でいきなり真面目になった感じがします。「伊園家の崩壊」はよく出来ている話であるのに、前3作の後だと「つまらない」と感じてしまうのは何故なのか(笑) |
No.12 | 7点 | 奇面館の殺人- 綾辻行人 | 2017/05/24 22:58 |
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これぞ館シリーズという、王道の舞台設定と展開。十角館や時計館には及ぶべくもないですが、平均的な出来でそれなりに楽しめます。
序盤は迷路館の、そして段々と水車館のテイストが出てきます。 登場人物表がないことにきっと何か意味があるのだろうと思っていましたが、なるほどこの設定ならそうせざるを得ないですね。その辺の苦しさを最後に作中人物の鹿谷の口から弁明させているのが良いのか悪いのか・・・ 推理面での疑問点を。殺人事件に関して、鹿谷たちに動機面からのアプローチもさせておくべきだったのではないでしょうか。あと、雪に閉じこめられなかったら犯人はどうしていたのかという点も考えさせておくべきだったのでは。等々推理の定石をいくつか外しており、不自然さを感じました。本格パズラーとは言え作者の単なる予定調和にはならないよう、その辺りのリアリティには気を配ってほしいと思いました。 |
No.11 | 6点 | 暗黒館の殺人- 綾辻行人 | 2016/05/25 19:56 |
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伏線が山のように出て来るので、このあまりに長大な作品を読むに記憶力がとても追い付かず、メモを取りながら読んだことを覚えています。本格ミステリーを読む際にそのようなことをしたのは今のところこの作品だけです。宮部みゆきとかにも言えますが、もっと短くまとめていただきたいものです。 |
No.10 | 5点 | びっくり館の殺人- 綾辻行人 | 2015/07/20 18:25 |
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暗黒館でげんなりして以来、約10年ぶりに館シリーズに手を付けました。
人形館のテイストに近いですね。 ミステリーランドレーベルだけあって読みやすさは抜群で、読者をしっかり引き付ける構成は良い。 あともうひとひねり何かあれば評価が上がったかもしれません。 今回の館の象徴になっている「びっくり箱」があまり関係なかったのが残念です。 奇面館に期待します。 |
No.9 | 8点 | Another- 綾辻行人 | 2015/03/03 18:51 |
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この物語は主人公の一人称で描かれたものですが、すごく重要なことが最後の方まで伏せられたまま展開します。そこがこの作品の肝なのですが、私には伏せる必然性が分かりませんでした。読者を騙すためと言ってしまえばそれまでなんですが、叙述トリックとは作者が読者を騙すものであって、作中人物が仕掛けるものではないのでは。公私の区別を付けるというような説明もありましたが、独白にまでそれを及ぼす必要がありませんからね。分量の割にすらすら読め、設定も独特であり面白い作品なのですがこの一点が少しひっかかります。 |
No.8 | 10点 | 霧越邸殺人事件- 綾辻行人 | 2014/08/03 18:09 |
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いつか再読しなければと思いつつもなかなか機会を得ず、今回約10年ぶりに再読。
本格ミステリーとしての完成度の高さは言うに及ばず、館シリーズには見られない重厚な文体、幻想的な雰囲気、宿泊客たちの運命を映す家など、装飾が素晴らしい。 インターローグによるミスディレクションも秀逸。 薀蓄の多さは確かにありますが、バランスを崩壊させるほどではありません。 自分の中で9点評価でしたが10点に格上げ。 氏の最高傑作と言っても過言ではないかと。 |
No.7 | 10点 | 時計館の殺人- 綾辻行人 | 2014/06/28 19:08 |
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館シリーズと言えば十角館と時計館の二強ですかね。分厚さを感じさせないくらい一気に読まされました。十角館以上にテンポよく人が死んでくれます。そして相変わらず2パートの構成が上手い。この空前の大トリックを使う必然性を持たせるために、よくぞこれだけの話を作りました。お見事。しかし鹿谷さん、旧館内の学生たちの身の危険を自ら指摘しておきながら、結局ほったらかしにするのはどうなんですかね。 |
No.6 | 5点 | 殺人鬼2- 綾辻行人 | 2014/06/28 02:21 |
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1に比べると数段落ちますかねえ。
残虐度だけは増している気がしましたが。 今作で殺人鬼が生身の人間じゃないことがはっきりしちゃった感じなのも興ざめなところです。 |
No.5 | 8点 | 殺人鬼- 綾辻行人 | 2014/06/28 02:18 |
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AだのBだの何なんだと思っていたら最後に納得。
あまり細かく読まない私の性質が幸いして上手く騙されました。 完全に好みが分かれる作品だとは思いますが、私は好き。 |
No.4 | 8点 | 迷路館の殺人- 綾辻行人 | 2014/06/28 02:10 |
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館シリーズの中では平均的な出来。
十角館や時計館と比べるとインパクトがやや不足。 ちなみにこの作品は泡坂妻夫氏の某有名作にインスパイアされたんでしょうか。 |
No.3 | 10点 | 十角館の殺人- 綾辻行人 | 2014/06/05 21:55 |
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初読のときモーリス・ルブランを知らなかったのが残念でした。
「第四章 二日目・本土」の最後の二文が少々アンフェアかなあと思わなくもないですが・・・ |
No.2 | 7点 | 人形館の殺人- 綾辻行人 | 2014/05/19 18:00 |
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評価が難しいですね。
真相はおそらく多くの人が読んでいる途中で薄々感付いたのではないでしょうか。 犯人の心理描写等がいかにも思わせぶりな書き方でしたからね。 自分の場合は多分そうだろうなと思って読み進めていたので、さほど腹が立つこともありませんでした。 むしろ楽しんで読めた方です。 しかし終盤の島田潔が颯爽と現れるシーンを想像すると滑稽ですね。 |
No.1 | 5点 | 黒猫館の殺人- 綾辻行人 | 2014/04/14 18:58 |
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これまでの館シリーズとは異なり、読者を驚かせるためだけの叙述トリックです。事件そのものと結びついていませんし、振り幅が大きすぎて「なるほど」「やられた」という気持ちにはあまりなれません。あざとさを感じました。 |