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sophiaさん
平均点: 6.99点 書評数: 289件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.8 6点 月下美人を待つ庭で 猫丸先輩の妄言- 倉知淳 2021/03/11 00:25
●ねこちゃんパズル 5点・・・話の中身のなさに驚き。八木沢(&みゆき)を登場させたかっただけでしょうか。
●恐怖の一枚 6点・・・猫丸先輩の推理通りだと状況設定に無理があるような。人物関係をひねらない方がホラーに振り切れたのではと考えたりもします。
●ついているきみへ 7点・・・この短編集の中では一番面白いですが、ラジオの公開収録の設定にもっと意味があってほしかったです。
●海の勇者 5点・・・何も推理していないです。
●月下美人を待つ庭で 6点・・・真相は取るに足りないものですが、しみじみとした読後感の作品です。

このシリーズは大好きなんですが、甘めに評価してもこんなものですね。猫丸先輩ってここまでおしゃべりでしたっけ。それでミステリーとしての中身の薄さを補おうとしている感じを受けました。前作から間隔が15年も空いたせいで時代設定に齟齬が生じてしまっていますが、そこは気にしない方がいいのでしょうね。

No.7 7点 片桐大三郎とXYZの悲劇- 倉知淳 2020/06/29 17:16
●ぎゅうぎゅう詰めの殺意 6点
●極めて陽気で呑気な凶器 6点
●途切れ途切れの誘拐 8点
●片桐大三郎最後の季節 7点

素晴らしいのは「途切れ途切れの誘拐」ですが、「Zの悲劇」ってこんなのでしたっけ?XやYに対してZは正直言ってあんまり覚えてないんですよね。最初の話の通勤経路の説明でZという言葉が使われるのがまた紛らわしいですし(笑)最終話で急に主観描写になったと思ったら、やはり仕掛けてきました。「最後の事件」のロジックを逆手に取っています。なお、この作品は短編集というか中編集ですが、どの話も内容に比して冗長です。もう少し短くまとめられたのではないかと思います。

No.6 6点 猫丸先輩の空論 ‐超絶仮想事件簿‐- 倉知淳 2019/09/11 21:09
●水のそとの何か 6点・・・作中の小説を元ネタにされてもいまいちピンと来ず
●とむらい自動車 7点・・・タクシー運転手たちの口論長すぎませんか(笑)
●子ねこを救え 6点・・・猫モノなら「失踪当時の肉球は」の方が好き
●な、なつのこ 7点・・・アレとアレとでは重量がだいぶ違うのですぐ気付きそうなものですが
●魚か肉か食い物 6点・・・これはちょっと論理の飛躍。レンゲに持ち替えるのなんかも自然な動作であり、伏線として機能しているのかどうか。旧友に気を遣ってプラマイ0にしようとした、の方が綺麗だった気がしますが。
●夜の猫丸 5点・・・何だこりゃ

全体的にまったり(ダラダラとも言う)としており、「幻獣遁走曲」のテイストに近いのかなあと思います。前作「猫丸先輩の推測」の完成度には遠く及ばない感じです。「超絶仮想事件簿」というサブタイトルの意味も全く分かりませんし。

No.5 8点 猫丸先輩の推測- 倉知淳 2019/08/24 23:35
●夜届く 8点・・・銭湯のエピソードがヒントにもなり、煙幕にもなっています。
●桜の森の七分咲きの下 8点・・・私を含め、もうひとつの可能性の方を考えた読者が多いことと思います。裏切られました。
●失踪当時の肉球は 8点・・・最後の分かるような分からないような歯医者の例えが印象的。
●たわしと真夏とスパイ 8点・・・冷えてないことに気付かなかったのか?という瑕疵はありますが。
●カラスの動物園 7点・・・「桜の森の七分咲きの下」同様の裏切り。
●クリスマスの猫丸 7点・・・何てことはない真相を魅力的な謎に仕立てるのが上手い。

「日常の謎」としてはかなりハイレベルな短編集ではないでしょうか。毎回変わる視点人物も個性的。特に探偵さんはよかった。各タイトルは全部何かの文学作品に因んでいるんですね。「たわしと真夏とスパイ」と「カラスの動物園」は無理やり合わせにいった感じがしますけど(笑)
なお、本作の猫丸先輩の行いは「推理」ではなくタイトルにあるように「推測」であると言われますが、物的証拠はなくとも状況証拠を元にしているので「推理」と言っていい気がします。ただし確認を取っていないという点で「推測」なのかなと。であれば「たわしと真夏とスパイ」は犯人の自白を取っているので「推測」には終わっていないと言えるのではないでしょうか。このようなことまで考えさせられる、なかなかに奥の深い一冊でありました。

No.4 6点 幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート- 倉知淳 2019/07/30 22:54
●猫の日の事件 5点
●寝ていてください 5点
●幻獣遁走曲 7点
●たたかえ、よりきり仮面 7点
●トレジャーハント・トラップ・トリップ 6点

初めの2話をその後の3話で取り返した感じです。「日曜の夜は出たくない」は割と硬派な本格ミステリー短編集でしたが、本作は誰も死にませんしプロットも複雑なものはなく、ライトな味わいの短編集となっています。アメトークの読書芸人の回でとある芸人さんが本作をお薦めしたそうですが、そういう観点からだと思われます。まあ時にはこういうのも悪くないんじゃないでしょうか。余談ですが、創元推理文庫新版のあとがきによりますと、本作のジャンルは日常の謎ではなく「非日常の謎」なのだそうです。何はともあれ、次作「猫丸先輩の推測」に期待しておきます。

No.3 7点 日曜の夜は出たくない- 倉知淳 2019/04/16 00:21
このシリーズは長編の「過ぎ行く風はみどり色」しか読んだことがありませんでしたが、創元推理文庫の新版が出たのを機に、短編集にも手を出してみました。泡坂妻夫の亜愛一郎シリーズのような描き方ですかね。島田荘司ばりの大技物理トリックもあり、センチメンタルな話もあり、昔話の謎解きもあり、バリエーション豊富で飽きさせません。中でも「一六三人の目撃者」が秀逸でした。そして最後のサプライズ。あの話やあの話で感じた違和感はこのためだったのかと感じさせられました。残りの短編集も読むのが楽しみです。あ、「海に棲む河童」の最後の標準語訳は不要だったと思います。あれは冷めました(笑)

No.2 8点 星降り山荘の殺人- 倉知淳 2018/04/20 20:07
「過ぎ行く風はみどり色」を読んだついでに再読しました。章初めの注意書きによる大技ミスディレクションばかりが印象に残っていましたが、それを除いても本格ミステリーとして面白い。メインの謎が大いなる偶然によって成立しているところは「過ぎ行く風はみどり色」と同じではありますが。しかしこの作品の犯人の逆ギレっぷりはミステリ史に残りますね(笑)

No.1 9点 過ぎ行く風はみどり色- 倉知淳 2018/04/12 22:57
視点人物が二人いることの必然性を考えると叙述トリックを疑いはしましたが、これは明かされるまで分かりませんでした。読み返してみると茶封筒の忘れ物の件や着物の帯の件など伏線もしっかり張られており感心しました。第2の殺人のやり方はちょっと難しいんじゃないかとは思いますが。

追記 皆さんの書評を読んでいて思いましたが、取り違えに気付いていたのは例の2人組だけですよね。誤解があるようなので指摘しておきます。

sophiaさん
ひとこと
採点がやや甘いかもしれませんが、世評の高い物を中心に読んでいっているので仕方がありません。点数はミステリーとしてのみならず、読み物として面白いかどうかを考慮して付けています。
好きな作家
採点傾向
平均点: 6.99点   採点数: 289件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(30)
伊坂幸太郎(13)
米澤穂信(13)
綾辻行人(13)
島田荘司(12)
道尾秀介(12)
泡坂妻夫(9)
アガサ・クリスティー(9)
倉知淳(8)
恒川光太郎(8)