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しゃんテンさん
平均点: 5.77点 書評数: 13件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 7点 透明人間の納屋- 島田荘司 2004/07/05 16:49
 導入部ではかなりの読みづらさを感じた。一人称の語り口調が現在は大人だけど、子どものときを思い出して書いているのだが…その語り口調も会話文の中で出る主人公の台詞も「こどもっぽくない」ように感じた。もっともわたしの考える「こどもっぽさ」と合わない。ただそれだけなのかもしれない。ただ、大人としても考えても小難しい言葉が多すぎて読みづらい。 でも、良く考えるとこの小難しさも背伸びしよう背伸びしようとするある種の「子どもっぽさ」なのかも知れない。私の子どものころには確かに難しい言葉を使う子もたくさんいたし。

前半の入り込みづらさはともかくとして…。全体的に言えば面白かった。
事件の説明について等非常に分かりやすかったし…
父のいない少年と彼に対する唯一の理解者・真鍋さんとの少し変った心の交流。そして、事件が落とす影。さらに少年が真鍋さんにした酷いこと。
また、少年自身は気づいていない大人の事情も垣間見えて、その点も面白いというか、位面白さがある。
少年が真鍋さんにした酷いことの件では、前半あれほど話しに入りづらかったことも忘れて思わずなきそうになってしまった。

本格ミステリとしてどうなのかなんて私には分からない。
でも、ある種の暗い青春?小説としては楽しめた。

No.1 3点 ネジ式ザゼツキー- 島田荘司 2004/07/05 16:46
「Aの台詞」「Bの台詞」「Aの台詞」…こんな調子で対話が延々と続く。最初のほうは多少の描写があるのだけれど、途中からは台詞しか存在しないページが延々と続く。
そのためだろうか私には語り手の考えや感情も、そのほかの登場人物の表情も見えてはこない気がした。
 探偵役やワトソン役、記憶を失ったキーマンなどの登場人物にちっとも関心がもてないせいか、事件にも関心がもてなかった。
 また、御手洗の推理は薀蓄を自慢するだけのものにみえて、推理を構成する論理は凄く適当で厳密とはいえない気がした。
 『占星術殺人事件』などの作品では御手洗潔が、毒舌を吐きまくりで、性格が悪く、けれど、謎めいていて、天才で。そういった凄い人間といった雰囲気を持っていたが…この作品では御手洗潔がただの物知り的秀才といった感じがする。謎めいた感じも凄さも漂っていない気が私にはした。その点でもこの話は楽しめなかった。

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しゃんテンさん
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