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たかだいさん
平均点: 5.11点 書評数: 159件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.3 4点 ミステリークロック- 貴志祐介 2025/02/03 00:26
例によって著者の「密室」に対する拘りが詰まった短編集
防犯カメラと迷路に阻まれた犯行現場、突如ボートから投げ出されて海の藻屑となった男。この2編は結構好きで、特に後者(「コロッサスの鉤爪」)はボリュームといい内容といい文句はない。前者については、映像化した際に映えるようなトリックである為、文章で訴えるには分が悪い感じはしたが内容自体は面白かった
逆に、表題作になっている「ミステリークロック」に関しては、作中で一番力が入ったトリックが用いられているのはヒシヒシと感じるが、一方で、それが空回っていたように感じてしまった。はっきり言って、「すげぇな」と思う前にダレてきてしまい、トリックが緻密で壮大な割に受け手に響かない自己満足になってしまっていたように思う(少なくとも私はそう思った)

No.2 5点 狐火の家- 貴志祐介 2025/02/03 00:08
かつてドラマ化もされた「鍵のかかった部屋」の原作で、著者が『密室』に拘りを持って放つ「防犯探偵・榎本」シリーズの2作目
日本家屋、蜘蛛の飼育部屋、閉じ籠った棋士、凶暴な番犬…例に漏れず様々なシチュエーション下で意図的もしくは偶発的に発生した4つの密室が提示される
個人的に発想の面白さでは毒蜘蛛を使ったトリックは好きでしたが、一方で古い日本家屋で起きた実質的密室殺人(表題作)の真相は話の雰囲気が良いだけにちょっと物足りなさがあり、残る2編は正直良くも悪くも特にこれといった印象に残らない凡作と感じられました

No.1 5点 さかさ星- 貴志祐介 2024/12/07 04:32
久しぶりに読む貴志祐介による呪物をテーマにした本格ホラー作品
なにかと理由を付けて縁起物を徹底的に排除し、本命と囮を混ぜ込んだ様々な曰く付き物品を屋敷に持ち込んだ話の元凶ー底知れぬ悪意が持つ「何がなんでも一族を根絶やしにする」という執念、情念は読んでいてゾクリとさせられた
ただ、一方で大ボリュームの割に曰く付き物品(呪物)が次から次へと出て来てその都度曰くが説明される為、呪物の紹介本と化している感も少なからず感じられる。そこは、ちょっと残念に感じました
個人的には「黒い家」や「ISORA」の印象が強い分ホラーの人というイメージがある貴志祐介という事で結構期待して読んだ感想としては、「天使の囀り」を読んだ時のようなある種の重苦しさも感じられて雰囲気も良かった割にまぁまぁ怖いと言った所に落ち着いたのはその辺が理由かもしれません
設定や雰囲気は良質ながら、ボリュームに見合った面白さがあったかと問われると若干物足りない作品でした

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たかだいさん
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採点傾向
平均点: 5.11点   採点数: 159件
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