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たかだいさん
平均点: 5.04点 書評数: 204件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.3 4点 黄土館の殺人- 阿津川辰海 2025/07/12 17:06
山火事に見舞われる「紅蓮館」、水害が迫る「蒼海館」と来て、地震で分断された「黄土館」として期待度が高かった館四重奏の第三弾
その感想として、ちょっと期待し過ぎたのかも知れないというある種の反省が…
館に配された塔が実は可動するという壮大なギミックが事件の鍵を握るトリックそのものは割と好みな部類ではある。果たしてそのトリックを実現可能か否か、塔が動く秘密を誰にも気付かれずに犯行が行えるのか?、無理がないか?とはちょっと…いや大分思ったが、それはそれとしてこういった大掛かりなトリックは好きだ
しかし、前2作と較べると本作は見劣りするのは否めない。本の厚さの割に前作「蒼海館」のような惹きつけるストーリー展開に欠け、「紅蓮館」のように迫り来る災害の脅威も然程感じられない
また探偵不在の事件という都合上、本作では探偵役の活躍が控えめであり、いわゆるワトソン役というか助手が頑張って事件を止めようとしたり、紅蓮館で登場したあの人のケジメがメインみたいな所があるのも、本作を中途半端なモノとして印象付ける要因になっていり気がしました
期待が高かった分、肩透かし感も半端なかったので個人的には評価「4点」とさせて頂きます

No.2 9点 蒼海館の殺人- 阿津川辰海 2025/05/18 18:03
阿津川辰海による館四重奏の2作目で、今回は水害が迫る館での凄惨な殺人事件と、不穏な一族の謎に失意の名探偵が挑む
家族の在り方がテーマとしてあるのか、語るべきを語らず、悪意のない嘘とすれ違いによって歪んだ一族と、そんな一族の皆と本気の語り合いをする事で絡まった糸(謎)が少しずつ解けていく様は見事
また、そんな一族の心理を読み切り、手玉に取り、操って尚、それが功を奏したら儲け物で失敗しても本質的には構わない。徹底して非情で、疑心暗鬼を生み出し、その中に隠れて表に出てこない本作の黒幕『蜘蛛』のキャラクター性についても、その正体含め大満足の出来栄えだったと思います
「紅蓮館」「蒼海館」と順調に期待を越えてくる館四重奏ですので、シリーズ最終章を飾るであろう未開の館に期待を膨らませつつ、差し当たって現時点での最新刊「黄土館」を近々読もうと思います

No.1 5点 バーニング・ダンサー- 阿津川辰海 2024/11/17 00:25
突然、全100種類の特殊能力に目覚める者達が世界中から現れるようになった世界観の元、その能力を悪用する者と、それを取り締まる者による攻防を描いた特殊設定のミステリー
ライトノベル的な設定の元で、一夜に二人もの人間を殺害した正体不明の能力者の謎に迫るミステリーを描くという筋書きはわりと好きです
ただ、ミステリーとして能力を根幹に据えるならもっと設定を詳細に詰めるか、いっそのこと能力バトルと言って差し支えない程度に派手にバトらせる方が面白いかった気が…
良かれ悪かれミステリーに比重がいっている分、どこかこじんまりとしている感があり、面白いんだけど物足りないという微妙な感想に至りました

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たかだいさん
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採点傾向
平均点: 5.04点   採点数: 204件
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